2013年中にも販売開始の方針
富士通が来年2013年中にも海外でスマートフォン市場に本格参入、販売を開始する方針であることが分かった。同社の山本正巳社長が27日、複数のメディアに対するインタビューで明らかにしている。
現在、グローバル展開に向け、海外の通信事業者と交渉中といい、具体的な企業名など詳細は明かされなかったが、欧米企業とみられており、北米など先進国に投入する見込みとなっている。富士通は、国内携帯市場ではトップに立っているが、実現すれば、同社として初めてのスマートフォンにおける海外展開となる。
「らくらくホン」など独自技術で差別化はかる
富士通は、2011年6月に中国で従来型の携帯電話を発売しているが、急速なスマートフォン普及の波もあり、思うような販売の伸びは実現できなかった。
今回のスマートフォンでの海外市場への再挑戦は、コストなどの競争力では、サムスン電子などに遅れをとるため、同社ならではの「らくらくホン」における独自技術や先端技術を活かした端末で進める。高齢者、初心者でも使いやすく、利便性の高いスマートフォン端末で、他社との差別化をはかっていく方針だ。これにより2014年までに国内外での年間販売台数を1000万台に伸ばすことを目指すという。
また、ルネサンスエレクトロニクス、パナソニックと交渉中のシステムLSI(大規模集積回路)事業統合についても、来年3月までに結論を出したいとしており、半導体部門の再編も早期に決着させる方針だ。スーパーコンピューター事業での中東や中南米への販路拡大など、その他事業における海外展開も加速させていくとしており、富士通の新たな挑戦が注目されている。

富士通
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