ソーシャル検索の「Graph Search」
米Facebookが現地時間15日、プレスイベントを開催し、新しい機能としてソーシャル検索機能「Graph Search」を発表した。SNS世界最大手であるFacebookが、検索サービスへ本格参入したことで、今後の業界の動向が注目される。
「Grapg Search」は、Facebook上のソーシャルグラフ。マップに基づいた、ユニークな検索結果を提供する点が特徴だ。現時点では英語のみの対応、小規模でのベータ提供が開始されているに留まるが、今後、順次対応や規模を拡大していく方針という。ベータ版参加希望者は、Graph SearchのWebサイトから待機リストに登録すると、利用できる。
個人情報の管理、ビジネス拡大が注目か
一般的な検索が、Webをインデックス化しキーワード検索の対象にしたものであるのに対し、Graph Searchはソーシャル検索として、つながるFacebookユーザーの相関関係、ソーシャルグラフ・マップをインデックス化した検索といえる。自分とよりかかわりのある情報、身近な情報を引き出すのに向いているといえるだろう。
検索は「People(人)」「Photos(写真)」「Places(場所)」「Interests(興味・関心・趣味)」を第一段階の対象とする。たとえば同じ出身地の同じ趣味をもつ男性を検索したり、すでに「友達」となっているユーザーが評価している映画や音楽、レストランを探したりすることができる。
こうしたサービスの提供で、気になるのは個人情報の扱いだが、検索結果に表示される情報は、各ユーザーのプライバシー設定に基づいたものとなっているという。そのため、情報を共有していない人に、個人情報やコンテンツが伝わることはないとする。ただし、ユーザー個々人における情報の管理は、これまで以上に細心の注意を払う必要が出てくるだろう。
なおFacebookが提携するMicrosoftの検索サービスBingとの統合も行われているので、通常のWeb検索スタイルである、Bingの検索結果に、Graph Searchからアクセスすることもできる。
関心のある情報をより見つけやすくする、個人的な検索スタイルになるため、有用に機能するようになると、広告やEコマース、コンテンツサービスなど、ビジネス分野でも、効率よく訴えかけることができるため、広範な活用が期待されるものとなる可能性がある。Facebookでは、現在のところビジネスモデルへの言及はなく、検索の質を高めることに注力するとしているが、今後はそうした展開も視野に入れていくのではとみられている。

Facebook Newsroom
http://newsroom.fb.com/News/562/Graph Search
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