せせらぎの音とともに流れ行く詩の一節
株式会社カヤックは21日、
ナナロク社、リアルコーヒーエンタテインメントと3社共同で企画制作した詩集アプリ
「谷川」が、
「電子書籍アワード2012」(主催:雑誌「ダ・ヴィンチ」)において
文芸賞を受賞したことを発表した。
「谷川」は
詩人・谷川俊太郎氏の詩の世界観を“川”で表現したもの。小鳥の鳴き声や川のせせらぎの効果音とともに、印象的な詩の一節が“ゆれ泳ぐ”ように川面を流れて行く。それらを釣り上げてコレクションすることで、詩の全体が完成するという仕組み。
魚釣りのようにのんびりと
一見、詩の一節が川を流れることに意味があるのかという疑問も湧きそうだが、たとえば、
「ひゃくねんまえには どこにいた?」
「おとうさんにはきこえない」
など不思議な一節が、ゆらゆらと流れて行く様子はどことなく味わいがある。
収録されている詩は、書き下ろし3篇を含む33篇。すべての詩を集めると“川の主”(谷川氏)のメッセージの贈り物が現れるという。プレビューも、
ひとつひとつの詩を、釣り上げないと読めない、その面倒臭さが、ひとつひとつを大事に味わわせてくれます。
と好評。ゆったりした時間を味わえるアプリのようだ。
アプリの特性に“完全に一致”
谷川俊太郎氏は詩(「二十億光年の孤独」「死んだ男の残したものは」など)、絵本、翻訳(スヌーピーほか)、歌詞など多くの作品がある日本を代表する詩人のひとり。今回の文芸賞を受賞してのコメントはふるっている。
「川からは桃太郎も流れてきたんだから、俊太郎が流れてきてもいいんじゃないか、と思いついたのは実は私じゃありません。」
審査員のひとり森川幸人氏(株式会社ムームー主宰)は、
「嫉妬するくらいにいいと思った。(Twitterに)呟きが流れていくように、谷川さんの文章が川を流れていく。そしてその中で自分の気に入ったものだけを拾い上げていくという感触が、詩の雰囲気も含めて、アプリの特性と完全に一致している。」
と絶賛している。

iTunesプレビュー:谷川
http://itunes.apple.com/jp/app/id458236361?mt=8ナナロク社:谷川俊太郎のiPhoneアプリ「谷川」
http://nanarokusha.com/appli/tanikawa.html面白法人KAYAC:「谷川」が「電子書籍アワード2012」文学部門、部門賞受賞!
http://www.kayac.com/news/2012/03/tanikawa_award谷川俊太郎 非公式ホームページ(公認)
http://tanikawashuntaro.jimdo.com/ダヴィンチ:電子書籍大賞が決定しました!
http://ddnavi.com/award2012/