放射性セシウム分布の広視野・高精度画像化に成功
宇宙航空研究開発機構(JAXA)、日本原子力研究開発機構JAEA)、東京電力株式会社は3月29日、JAXAが試作した、ガンマ線を放出する放射性物質の分布を可視化する新しい装置「超広角コンプトンカメラ」を用いた線量測定及び撮像試験による実証試験を、2月11日に飯館村で実施。従来のガンマカメラに比べ格段に広い視野での放射性セシウムの分布の高精度画像化に成功したことを発表した。
*画像はニュースリリース 添付資料より
「超広角コンプトンカメラ」を試作、飯館村で実証試験
「超広角コンプトンカメラ」は、宇宙ガンマ線高感度観測をめざし、宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 (ISAS/JAXA)で、次期X線天文衛星「ASTRO-H(2014年打ち上げ予定)搭載用の軟ガンマ線検出器(SGD)の 製作が進行中であるが、東京電力株式会社の相談を受けたことをきっかけに、このSGDのコンセプトを基礎とし、原理実証モデルとして「超広角コンプトンカメラ」を急遽試作したという。
実証試験の結果は、「飯館村草野地区における環境放射線分布測定試験結果報告」として資料添付されているが、放射性物質の分布状況が広角で撮像されているのがわかる。
今後、JAXAとJAEAは、東京電力株式会社の協力のもと「超広角コンプトンカメラ」を用いた放射性物質の除染作業等について、実用化に向けた検討を進めるとしている。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)、日本原子力研究開発機構JAEA)、東京電力株式会社 ニュースリリース
http://www.jaxa.jp/press/2012/03/20120329_compton_j.html