出版大手の新規Web事業
講談社が23日、新規事業として「プロジェクト・アマテラス」なるWeb事業を開始することを発表した。ユーザーが皆でコンテンツをつくっていく参加型のサイトで、デジタル時代の新たな出版モデルの構築を目指している。
サイトの正式オープンは25日だが、23日現在すでにプレオープンしており、その概要がうかがえる。このサイトでは、「プロジェクト型コンテンツ生成システム」とする独自のシステムを通し、講談社とそのプロジェクトに集うユーザーがともに新たなコンテンツを作り上げていくことを目指す。
既存のスタイルでは発掘できなかった才能を多角的に発掘していくことを目的としているという。
天岩戸に隠れる才能を引き出す
天岩戸に隠れていた天照大神の「アマテラス」をプロジェクト名に冠したのも、そんな隠れた才能、次世代の才能を、プロジェクトで引き出していきたいと考えたからだという。
具体的には、京極夏彦氏のデビュー作である「姑獲鳥の夏」をベース素材に、イラストやデザイン、フォーマット、ビューワなど、デジタルにおける作成をユーザー参加で募集し、理想的な電子書籍のスタイルを模索するプロジェクトが用意されている。
京極氏は、プロジェクト「百鬼夜行Next generation」というものにも参加しており、こちらでは、新しい「百鬼夜行シリーズ」の世界観などのアイデア募集が行われるそうだ。
また、「MMRマガジンミステリー調査班」の復活プロジェクトで、作品のオリジナルメンバーが集結し、ユーザーから寄せられた謎を調査するという企画もある。
この他にもすでに、イメージキャラクターの募集をはじめ、さまざまなプロジェクトが用意されている。今後、さらに多方面でのプロジェクト展開が予定されているようだ。参加するユーザーの声を取り入れながら、コンテンツを制作していくスタイル。皆で創造する楽しみを味わってほしいというプロジェクトの中心姿勢がうかがえる。
今まで出版界ではタブーと思われていたことにも積極的に挑戦していくというから、今後の動向がより注目されるところだ。

プロジェクト・アマテラス
http://p-amateras.com/講談社
http://www.kodansha.co.jp/