本社は否定も身売り関連情報相次ぐ
日本国内におけるSNSサービスとして、当初からそのコミュニティサービスを牽引してきた「mixi」サービスのミクシィが身売りを検討しているという。15日の日経ビジネスが報じた。
それによれば、社長の笠原健治氏が保有している約55%の同社株式につき、売却に向けた交渉を複数企業に対し、打診し始めているという。近く入札が行われる見込みで、グリーやDeNAらも参加するのではないかとも報じている。
さらにある金融筋からの情報として、今春、ミクシィから、競合他社に対し株式売却の話が持ち込まれたという証言を得たとしている。まず笠原氏の保有株式を譲渡して資本提携し、その後全株式を放出、身売りとなるのではないかという。
この報道に対し、ミクシィはニュースリリース発表でそのような事実はないと否定している。しかし、スマートフォンの台頭やグリー、DeNAの成長、Twitter、Facebookなどの広がりを受け、ミクシィの業績が低迷を続けていることは否定できない。
今後の動向が注目
パソコンや携帯電話の広告に依存するモデルから、課金収入モデルへの移行体制も図っているが、同業他社に比べ後からの参入となり、苦しい状況に立たされている。
ミクシィも新サービスの投入は積極的に行ってきた。Facebookページにあたるミクシィページを創設し、「ホーム・タウン構想」でコミュニケーションの場とプライベートの場をうまく使い分けるシステムを打ち出すことで差異化を図ったり、Twitterとは連携を進めたりするなどさまざまな策を講じてきた。
しかし、やはりこのSNS業界にあって単独での生き残りはますます難しくなっていると見る向きは強い。5月11日に決算発表とともに発表された経営体制の刷新についても「突然で不自然」と業界からは指摘されている。その不自然さも身売りに向けた体制整備とみるなら、説明がつかないこともない。
一方、証券業界からは、ミクシィの社内が混乱状態にあるのではとも指摘されている。そうなると、身売りそのものも不透明となり、先行きは見えない。
ミクシィの身売り報道は、今回が初めてではないが、SNS業界が史上として大きくなるにつれ、その揺れもきわめて大きくなっていることは確かであり、どのような変化が起きても不思議ではない。今後の動向が注目されるところとなりそうだ。

mixi ニュースリリース
http://mixi.co.jp/press/2012/0515/10848/mixi
http://mixi.jp/about.pl日経ビジネス
http://business.nikkeibp.co.jp/article/index.html