NASAがとらえ話題に
宇宙にある巨大ブラックホール。極めて強い重力をもち、光ですらも飲みこまれて、そこから逃げ出すことはできないといわれているが、実際にブラックホールが星を飲みこむ瞬間をとらえた画像が公開され、話題を呼んでいる。
これは米航空宇宙局(NASA)の紫外線宇宙望遠鏡GALEXや地上の望遠鏡で観測されたデータをもとに、米英の研究チームがコンピューターで再現したもの。英科学誌のnature電子版で発表された。NASAのホームページでも画像とシミュレーション映像を見ることができる。
(NASA公開画像より)
まさに「断末魔の叫び」
ブラックホールのそばを恒星が通りかかると、あまりに強い重力の影響を受け、バラバラに引き裂かれて飲みこまれてしまうと考えられており、その光は星の「断末魔の叫び」とも呼ばれている。
今回の画像はそんな「断末魔の叫び」と呼ばれる「ジェット」現象をとらえたものだ。研究チームは2010年6月から、27億光年先の銀河におけるこの現象にともなう光を観測し、恒星からブラックホールへ落ち込むガスや、逆に宇宙空間へと噴出されたりしているガスの様子を再現したという。
ごく小さな黒い点へと光が走り、ガスが渦巻く姿は衝撃的。貴重な宇宙の瞬間をとらえたものといえるだろう。

NASA GALEX Mission News
http://www.nasa.gov/mission_pages/galex/galex20120502.htmlnature
http://www.nature.com/nature/journal/v485/n7397/full/nature11191.html