リアルタイムに香りも共有で共感増
株式会社電通国際情報サービスのオープンイノベーション研究所と着パフ株式会社が4日、スマートフォンを用い、音楽ライブのステージと観客を香りで結ぶ実証実験を共同で行うことを明らかにした。“香り”という無形のものを伝達するという、新たなネットワーク利用で、さらなる共感を演出するものとして注目される。
この実験は7月6日、アーティストのCoba-Uが東京都内で開催する音楽ライブ「カイタイコバユー音楽編 Vol.02 Coba-U×Gen Tamura at 新世界」で行われる。実験には、同研究所が開発したiPhone向けアプリの「Super Meta Perf」を利用する。
当日はライブ会場での観客やネットライブ放送を視聴するユーザーに対し、そのiPhoneへ香りの噴射シグナルをステージ上からスイッチをオンにすることで、クラウドからリアルタイムに送信。Dockコネクターに装着した専用の装置「着パフ」から香りが散布されるそうだ。
(プレスリリースより参考画像)
五感のなかでも記憶への直接的作用が強い嗅覚を利用
今回の実験では、楽曲をイメージしたオリジナルの香水が香りとして散布される予定だ。実験協力として、香りマーケティング協会も参加している。
対象は、あらかじめ募集したモニターと報道関係者となる。ライブ当日だけでなく、後日に行う予定のUstreamにおける映像配信でも、その視聴者へ香りを伝達する実験を実施するという。
電通国際情報サービスのオープンイノベーション研究所では、同じコンテンツを体感するユーザーのソーシャルビューイングを発展させた、より深い共感・共有を実現するアプリケーションのプロトタイプ開発を進めている。五感のなかでも、記憶への直接的作用が強い嗅覚は、今後マーケティング要素としても注目されるものなのだそうだ。
視覚と聴覚に加えた嗅覚の共有体験。今回実験で使用されるアプリや専用装置は、近く一般公開が予定されている。興味深い近未来的実験といえるだろう。

株式会社電通国際情報サービスオープンイノベーション研究所
プレスリリース
http://www.isid.co.jp/news/2012/0704.html