顧客情報をiPadで収集、共有
英航空大手のBritish Airways(BA)が今月7月から導入した新サービスが物議を醸している。「お得意様」顧客サービスの向上を目指すものとして開始された「Know me」がそれだ。
この「Know me」は、Googleの検索データや画像などを活用、客室乗務員2000人がAppleのタブレット端末であるiPadを使用して、顧客の情報を収集し、それぞれが共有することによって、実際のサービスに活かしていくというものだ。
食事の好みや過去のフライトの記録、顔写真、フライトで苦情を申し出たことがあれば、その情報などが即時に引き出されるとのこと。BAでは、これにより「真にパーソナライズ化された航空体験」を提供すると説明している。
プライバシー侵害では?との声も
しかし、そこまで個人的な情報を収集・共有されることには、抵抗を感ずる人も少なくないだろう。実際にプライバシーの侵害に当たると、関連監視団体や消費者団体からは批判の声も上がっている。
サービスを批判する側は、自分に関する情報の扱いに関し、十分に説明を受けたうえで選択することができるという権利が与えられていない点を問題視する。これに対し、BAは、一般的な小売店や飲食店など、なじみの店で得られる常連としてのもてなしを、最新技術の導入によって、大勢の顧客を相手にする巨大企業でも可能にする画期的試みとする。
いずれの意見にも一理あり、まさに現代の情報活用とプライバシーにおける問題を浮き彫りとしている。航空会社では初となるサービスであり、画期的なものといえるのか、それとも過剰なおせっかいなのか、議論とともに今後の動向が注目される。

British Airways
http://www.britishairways.com/travel/home/public/en_gb