300億円の出資要請と報道
試練の続いているシャープに新たな動きだ。半導体最大手の米インテルと資本提携向け、交渉を進めているという。21日、毎日新聞が報じた。
それによれば、インテルがシャープに300億円超を出資する方向で協議が進められており、早ければ来月10月中にも合意したい考えだという。経営再建中で、鴻海との交渉が難航するなかにあるシャープにとっては、この提携が実現すれば、新たな出資先・供給先を確保できる可能性が出てきた。
インテルはやはり中小型液晶パネルを狙う
インテルは半導体生産では世界トップだが、市場が拡大し、競争が激化しているスマートフォン・タブレット端末向けの半導体においては、韓国のサムスンや米クアルコムに大きくリードされている。
シャープは最新鋭の中小型液晶パネルの分野などで、とくに高い技術を持っており、インテルとしては自社製の半導体を用いたスマートフォンやウルトラブック開発で協業したい狙いがあるとみられる。
報道によれば、シャープ首脳は新たな出資先を模索するため、頻繁に渡米しており、各方面と交渉を続けてきているという。インテルとのこの資本提携が実現すれば、同社がシャープの筆頭株主に躍り出る可能性もあるとされている。
ただし、シャープは鴻海との提携交渉も引き続き行っていく方針で、それぞれの提携には、まだ紆余曲折があるものとみられる。今年創業100周年を迎えたシャープの今後の動向が依然注視される。
なお、シャープの広報では、このインテルとの資本提携交渉について、報じられたような事実はないと否定する発表を出した。
※追記22日の、朝日新聞等、後の報道においては、2社は協業での提携交渉を進めているが、出資をめぐる交渉はしていないと伝える向きもあり、報道各社においても見方が分かれている。

シャープ株式会社
http://www.sharp.co.jp/インテル
http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/homepage.html毎日新聞 該当記事
http://mainichi.jp/select/news/シャープ 発表資料
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/pdf/2012/120921.pdf