一難去ってまた一難、今度はドイツの衛星
24日に
NASAの人工衛星
UARSが落下したばかりだが、今度はドイツの人工衛星「
ROSAT」が11月頃に落下する可能性があるという。29日、NHK NEWS WEBや海外のメディアが報じた。NHK NEWS WEBによれば、最大で
30個の破片(1.6トン分)が地上に達する見込みで、人に当たる確立は
UARSの場合よりも高い
1/2,000。落下の時期や位置については
予測できないという。
ROSATを打ち上げた
German Aerospace Center(ドイツ航空宇宙センター)は、この落下の事実をすでに6月に公式サイトで報告している。それによれば、
ROSATは地上565〜585kmの軌道上で観測を続けていたが(1999年に運用終了)、その後、大気の影響で高度を失い、今年6月の時点で
地上327kmの位置にあるという。
落下したスペースクラフト、大きさベスト6
再突入時の速度は時速28,000km。その際の熱で多くの部分が焼失するが、最大30のパーツが焼け残って落下すると予想され、その内で最大の部品は、高い耐熱性を持つ
望遠鏡の鏡ではないかと指摘されている。
[ROSATのmirror system。German Aerospace Centerより]
立て続けの衛星落下で不安が募るが、
SPACE.COMはこれまでに制御不能となって大気圏に再突入した衛星などのうち、大きさのベスト6をリストアップしている。以下に要約して紹介。
・Skylab(スカイラブ);1979年落下。インド洋からオーストラリア西部の上空で燃え尽きた。地上に到達した残骸もあったが、人的被害はなし。
・Pegasus 2(ペガサス2):79年、大西洋に落下。
・Salyut 7(サリュート7):91年、アルゼンチン上空で燃え尽きたが、いくつかの破片がCapitan Bermudezという町に飛散。けが人のレポートはない。
・スペースシャトル「コロンビア」:03年、16日間のミッション終了後、地球帰還時に起きた悲劇。宇宙飛行士7名が死亡。地上の負傷者はなし。
・Cosmos 954(コスモス954):ソ連の偵察衛星。大きさは小さい(3,800kg)が、原子力エンジンを使用。78年、カナダ北西部に落下、放射性の残骸が散乱。ソ連はカナダに対し300万ドルを支払った。
・(例外)Mir(ミール。ロシア製宇宙ステーション):01年、完全に制御された状態で意図的に再突入、太平洋に落下。
・UARS:11年、落下。

NHK NEWS WEB
独の人工衛星“11月ごろ落下”German Aerospace Center
ROSAT re-entrySPACE.COM
6 Biggest Spacecraft to Fall Uncontrolled From Space