広がる波紋にSCE広報部がコメントを発表
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の家庭用ゲーム機プレイステーション3(PS3)」で、ユーザーのプロフィールとゲーム履歴などが、ネット上でだれでも閲覧できるようになっている問題で、SCE広報部が9日、ユーザーの声を聞きつつ、使用の見直しを含めて対策を検討している旨のコメントを発表した。
この問題は、プレイステーションネットワーク(PSN)のサービスで、これら個人情報といえる履歴が丸見えになっていることに対し、ネット掲示板等で批判が殺到していることを受けたものだ。
セキュリティ研究者のブログで火
騒動の発端は、セキュリティ研究者である高木浩光氏が、自身のPS3 IDをネットで検索してみたところ、自分のゲームプロフィールが勝手に公開されているのを発見、検証を始めたことだった。同氏は、プレイの履歴やPS3内蔵のHDDに録画もできる「トルネ」の履歴も、だれもが見られる状態になっていることを確認したため、非公開にする方法をSCEに問い合わせたところ、その手段もないことがわかり、5日、ブログを通してこの事実を告発した。
人気ゲーム機のこのセキュリティの甘さに、告発直後からネットユーザーの中で大きな話題に。事実上、炎上状態となっていた。9日までSCEはコメントを出していなかったが、批判の殺到がつづく事態を受け、対応したものとみられる。
マイクロソフトのXbox360や任天堂のニンテンドー3DSなどでは、こうしたプロフィールは公開範囲を友人に制限したり、非公開となるよう履歴が見られる機能を停止させることが可能になっている。
SCEでも見直しにあたり、PSNのコミュニティーサービス「プレイステーションHome」公式サイトにログインしないと見ることができないようにする、また公開範囲を変更できるといった対策を行うものとみられている。
ユーザーからは批判ばかりでなく、ゲームを行うこと自体や録画することをためらってしまうといった不安の声も上がっている。個人のゲームプレイ履歴や録画履歴がさらされて炎上するといった事態への懸念もあり、やはり一刻もはやい仕様改善が望まれる。
ソニー・コンピュータエンタテインメントプレイステーションHome高木浩光@自宅の日記(高木浩光氏ブログ)