原発事故の汚染水から放射性セシウムの除去・回収
JNC株式会社は12月26日、海水を含むセシウム汚染水を対象とした、ラボスケールにおけるセシウム(安定同位体)の除去・回収の技術開発に成功したことを発表した。
JNC株式会社はチッソ株式会社の事業承継会社(100%子会社)で、チッソより機能材料、化学品、加工品分野において営む事業の譲渡を受け、2011年4月に営業開始した化学メーカー。
福島原発事故により発生した放射能汚染水に含有される放射性セシウムの除去・回収にも利用でき、現在、大量処理プロセスの確立を目指し技術開発を進めており、早期に技術を完成させるとしている。
*画像はニュースリリースより
入手が容易で安価な材料のみで除去費用の削減も期待
今回開発された技術は、セシウムを含む汚染水にフェロシアン化物を加え、さらにセシウム結合体に磁性体原料を添加・反応させ、アルカリ水溶液を用いて磁性を持つセシウム結合体を生成。磁石を用いてセシウム結合体を磁気分離し、汚染水からセシウムを除去・回収する。
海水を混合したセシウム濃度10ppm程度の水溶液を用いたラボ試験では、処理操作は10分以内で完了、1回の操作でセシウムが99.5%除去されたという。磁気分離法を用いるため、迅速な分離操作と密閉環境や遠隔操作による処理が可能で、使用するのは、工業的に入手が容易で安価な材料のみで、セシウム除去費用の削減も期待できるとしている。

JNC ニュースリリース
「セシウム(安定同位体)除去・回収技術の開発に成功」
http://www.jnc-corp.co.jp/news/11122657.html