災害総合予測システム開発へ
世界最速を誇る日本のスーパーコンピューター「京」を活用して、巨大地震や津波の複合災害に対し、これまで以上に総合的な予測を行うことができるシステムの開発に、東京大学地震研究所が今年4月から本格的に乗り出すことが分かった。
東日本大震災を受け、地震予知、防災システムの再構築には非常に関心が集まるところとなっており、活発な研究・開発が期待される。
同研究所では、まず震源域ごとに約1000通りの巨大地震や津波の発生パターンを分析、従来以上に精緻な被害想定や住民の避難指示への判断材料につなげたい考えだ。
「想定外をなくす」ために
天災には「想定外」がつきものだが、東京大学地震研究所では、この想定外をなくすことを目指し、「巨大地震津波災害予測研究センター」を4月に発足させるそうだ。
このセンターで、京も活用し、自身・津波の発生や建物の被害、避難の状況など、これまでデータ量が膨大となってしまうため、別々に分析されていたさまざまな情報を統合して分析するシステムを構築していくという。これにより、さらに現実の災害時に近い予測が行えるようになるそうだ。
個々の建物の形状や構造データなど、これまで細かすぎるとおとされてきたデータも京に入力して、地域全体での被害予測を算出したり、道路が不通となった場合も想定した津波襲来時の避難予測、避難方法の見出しを進めるといった試みを行っていくという。
予測がすべてではないが、リスク管理のため、最善が尽くされることは望ましいことである。教訓を活かした、現実的なシステム開発に期待したい。

東京大学地震研究所
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/次世代スーパーコンピュータ「京」:FUJITSU
http://jp.fujitsu.com/about/tech/k/