宇宙ステーションへの物資補給機情報などが外部漏れ
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が13日、明らかにしたところによると、同機構に所属する職員が利用していたパソコン1台がコンピュータウイルスに感染、関連情報が外部に漏えいしたという。
報告によると、感染したパソコンは宇宙ステーションへの物資補給機(HTV)に関する業務を行う職員のもので、そこに保存されていた電子メールアドレスの情報や物資補給機の仕様、運用といった情報、また該当パソコンから過去アクセスしたシステムへのログイン情報が外部に送信されたそうだ。この事実は6日、確認されたものという。
詳細はさらに調査中
最初に異常が検知されたのは2011年8月11日で、検知後、即座にJAXAのネットワークから切り離し、調査を続けてきたそうだ。6日後の17日にウイルス感染を確認し、駆除を行ったものの異常は継続。状況が改善されることはなかった。
そのため、それ以降も調査を継続し、別の新種コンピュータウイルスが同パソコンにおいて情報収集を行い、外部へと送信していた痕跡を突き止めたそうだ。
JAXAでは、各システムのパスワード変更を直ちに実行し、今回のウイルス感染での被害状況やその影響、その他のパソコンでの感染はないかなど、さらに詳しい調査を続行中だという。もちろん、このような事案の再発防止のため、さらなるセキュリティ強化も進めている。
ウイルス感染被害や不正アクセス被害は、近年さらに巧妙化、件数増加の一途をたどっているが、機密度の高い宇宙研究開発事業での情報漏えい発覚で、ネットにも波紋が広がっている。

JAXA プレスリリース
http://www.jaxa.jp/press/2012/01/20120113_security_j.html