ただそこにあるだけなのに、決まった人が決まったときにだけ使える電源ソケット!?
福岡県を拠点にIoT(Internet of Things)関連の開発事業を手がける株式会社Nayutaが12月28日、ブロックチェーン技術を応用し、使用権をコントロールできるようにした電源ソケットのプロトタイプを開発したことを発表した。
Nayutaは、とくにIoT技術と、IoM(Internet of Money)技術を組み合わせた製品やシステムの開発を進めており、この電源ソケットも「ビットコイン」をはじめとした仮想通貨のコアアルゴリズムとして注目を集める、ブロックチェーン技術を用いている。
同社によると、ブロックチェーン技術は、暗号通貨・仮想通貨への利用だけでなく、インターネットを通してセキュアに価値の交換が行えるアルゴリズムとして広く利用価値のあるものであり、IoTへの応用も大いに期待される技術なのだという。
公の場所における使用方法を限定した安心・安全・便利な電源の提供に最適
開発された電源ソケットの持ち主(管理者)が、たとえば「2016年2月10日10時~2016年2月17日17時までの間にAさんは48時間、電源を使える」といった設定を行う。そしてユーザーであるAさんを指定、スマートフォンアプリを介し、この使用権トークンを送付する。
すると、使用権を受け取ったAさんは、スマートフォンと電源ソケットとの間のBLE通信により、電源ソケットの導通スイッチを有効状態にすることができ、設定の範囲内で自由に電源として利用することが可能になる。なお今回のプロトタイプでは、この仕組みを成立させるため、ブロックチェーン上のOpen Assets Protocolを用いているそうだ。
Nayutaによると、使用電力の測定もハードウェア機能として搭載されており、将来的には使用した電力に応じた課金型電源ソケット製品へ変更することも可能なように開発・設計されているという。
こうした使用権を自在に管理できる電源ソケットとなっていることから、誰にどのような利用をされるか分からないといったリスクを回避して、大会議場やマンションの共用部分など、セミオープンな場所、公の場所にコンセントとして設置でき、きちんとルール整備がなされた便利な社会インフラを、より充実させることが可能になると考えられている。
この電源ソケットは、福岡市の「新製品開発サポート事業」にも採択されており、福岡市、AIP、QUESTの支援のもと開発された。
Nayutaでは今後、ブロックチェーン技術を広くIoTやシェアリングエコノミーへ適用することを考えており、顧客のニーズに応じて、内蔵基板ボード、スマートフォン向けアプリ、ブロックチェーンへのインターフェースなどを含めたサービスとしても製品化を目指していく予定としている。
(画像はプレスリリースより)

株式会社Nayuta プレスリリース
http://nayuta.co/wp-content/pressrelease20151228