NFCでスマホをキャッシュカード化!
株式会社日立製作所(日立)は17日、スマートフォン端末を用いたキャッシュカードレスの金融取引を実現する新サービス「日立モバイル型キャッシュカードサービス」の提供を開始すると発表した。FinTech関連サービスの第1弾と位置づけるもので、同日より国内の金融機関向けに販売をスタートさせている。
この「日立モバイル型キャッシュカードサービス」は、NFC(近距離無線通信)を活かし、通常はキャッシュカード内に保管されている口座番号などの情報を、Androidスマートフォン(NFC対応端末)に格納し、モバイル型キャッシュカードとしても利用できるようにするもの。
ユーザーは、参加する金融機関が提供する専用アプリを使って、現金の引き出しなど利用したい取引内容を事前に登録、営業店窓口やATMに設置された読み取り端末に、手持ちのスマートフォンをかざしさえすれば、取引を完了することができる。わざわざカードを携帯したり、窓口取引で伝票記入を行ったり、印鑑を押したりといったことが不要になるため、格段に利便性が向上するほか、紛失などのリスクも軽減できると見込まれている。
サービスの利用開始も簡単かつ迅速に!
この「日立モバイル型キャッシュカードサービス」では、スマートフォン内の安全性の高い領域で情報を管理、不正アプリや物理的なデータの不正取得による情報搾取を防止するなど、高いセキュリティを確保したものとなっているため、簡便かつ安全に金融サービスを利用できるという。キャッシュカードだけでなく、ローンカードにも対応可能だそうだ。
金融機関側も煩雑な取引対応を簡易化でき、混雑の解消を図ることができる。ATMの操作においても、スマートフォンをかざすだけで取引可能となることから、利用者が集中する時期・時間帯の混雑緩和、サービス改善を実現できる。
また、これまで郵送によるキャッシュカードの発行を行う場合、希望者からの利用申し込みがあってから、カードを発行、到着させるまでに約1週間は必要となっていたが、このモバイル型キャッシュカードであれば、スマートフォン上での利用申請と専用アプリのダウンロード・設定ですべてが完了するため、利用開始手続きをごく簡単なものとすることができる。利用したいときに素早く利用開始までこぎつけられることから、ユーザーにとっても大きなメリットとなるだろう。
まずは基本的な機能となる中核サービスが提供され、2016年度上半期に営業店舗向けおよびATM向けのサービスが、2016年度下半期にネットバンキング向けのシステム構築支援サービスがリリースされる予定となっている。
近年、Finance(金融)とTechnology(技術)を結びつけた、最新のIT金融サービス、“FinTech”が各所で注目を集めており、なかでもスマートフォンを活用してユーザーに新たな利便性をもたらす金融サービス実現へのニーズは日々高まっている。
日立はこの「日立モバイル型キャッシュカードサービス」のリリースを皮切りに、国内外のFinTech関連企業との協創も推進、新たなビジネスモデルの創出を支援していく方針を打ち出している。また、ネットを用いたバーチャルな金融取引チャネルと営業店窓口やATMなどのリアルな金融取引チャネルを融合したO2Oを活用、広く金融機関の事業強化に貢献していきたいともした。
(画像はニュースリリースより)

株式会社日立製作所 ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/2015/12/1217「日立モバイル型キャッシュカードサービス」について
http://www.hitachi.co.jp/products/mobiliy-cashcard