クラウド型動画サービスとして運用予定
米IBMは現地時間の21日、ライブ動画配信サービスなどを手がけるUstreamを買収したことを明らかにした。買収金額など、詳細な買収条件については非公開で、公式なコメントはなされていない。
昨今、IBMは動画関連企業の買収を積極的に進めており、昨年までに大規模ファイル転送ツールを提供する「Aspera」、動画ストレージサービスの「Cleversafe」、戦略的データとして動画を管理する運用サービス「Clearleap」を取得している。
IBMでは、今回買収したUstreamとこれらをあわせ、自社の新たなクラウド型動画サービスとして運用・提供していく予定で、「Cloud Video Services」と名付けたユニットを創設。動画が今後、企業にとって有益なマーケティング資産やデータ資産となることを見据え、顧客企業向けの大規模かつ総合的な、グローバルに一貫して配信できるクラウド動画サービスを構築していく。
Ustreamの開発者向けプラットフォームは「Bluemix」に統合
Ustreamは2007年創業の動画配信・共有サービスを手がける企業。個人向け、またエンタープライズ向け、放送局向けにクラウド型の動画ストリーミングサービスを提供している。企業向けのライブイベント中継サービスなども多く手がけており、FacebookやSamsung、Nike、The Discovery Channel、米航空宇宙局(NASA)などがこれを利用してきた。Ustreamの配信動画は、月間8,000万人以上のユーザーに視聴されているという。
Ustreamのライブストリーミング配信サービスでは、クライアントがオリジナルの動画アプリを作成し、セキュアな環境のもと、さまざまなデバイスへ配信したり、アプリに動画をのせたりすることが可能となるよう、開発者向けのオープンな「Ustream Development Platform」が提供されていたが、これについては、IBMの「Bluemix」プラットフォームに統合し、組み込む予定とされている。
Ustreamが有する、マーケター向けのデータ収集・分析機能や、ライブおよびオンデマンドビデオの管理ダッシュボード機能などのソリューションも、IBMのツールと結びつけられ、同社サービスに収められることとなる。
(画像はプレスリリースより)

IBM プレスリリース
http://www-03.ibm.com/press/us/en/pressrelease/48582