三菱電機が新システムの開発成功を発表
三菱電機株式会社は12日、無線LANと音波による測位を組み合わせ、低コストで導入可能なほか、誤差1メートル以内という正確さで位置を検出することができる屋内位置検出システムを開発することに成功したと発表した。GPS電波が届かない地下駐車場でのナビゲーションや、倉庫での物流管理など、さまざまなシーンにおける活用が考えられている。
今回開発されたシステムでは、音波による位置検出装置を無線LAN基地局に搭載する。そして、位置を検出したい対象物とその周辺にある複数の無線LAN基地局との間で音波を往復させ、その伝達時間から対象物の現在位置を特定するという。送受信のタイミングや計測結果は、無線LAN通信でやりとりする。
すでに構内無線LANが設置されている屋内環境である場合には、既存の無線LAN基地局に位置検出装置を追加するだけでシステムを構築、導入・利用が可能となるため、初期投資コストも最小限に抑えられるとしている。
地下駐車場での「どこに停めたっけ・・・」を解消!
地下駐車場に導入した場合、ユーザーは手持ちのスマートフォンに内蔵されたマイクとスピーカーを活かして、このシステムでの駐車位置検出サービスを利用できるようになる。
スマートフォンに専用アプリをインストールすると、アプリが起動状態となった際に、端末と周辺の無線LAN基地局に搭載された位置検出装置との間で音波の送受信が行われるものとなり、この音波の伝達時間から現在地を特定、ナビゲーションが提供される。
車を停めた際にまずその駐車位置情報を検出・記憶させておき、駐車場へ戻った際に現在地を検出して、記憶させた駐車位置までそこから案内してもらえば、広い地下駐車場でも迷うことはなくなる。ユーザーはスマートフォンだけでサービスを利用可能で、電子タグ(RFID)など特別な専用機器を必要としない点も利便性の高いポイントといえる。
屋外では精度の高い位置検出が可能だが、GPS電波の届かない屋内などにおける、正確で実用的な位置検出技術となると、未だ発展途上にある。そうしたなかにあって、今回の新システムであれば、幅広く導入しやすい上、誤差1メートル以内という精度の高さで検出が可能だ。三菱電機では今後、2017年4月の実用化を目指し、アプリ開発などを進めていくとしている。
(画像はニュースリリースより)

三菱電機株式会社 ニュースリリース
http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2016/0212