KDDI研究所が専用ホームアプリを開発
株式会社KDDI研究所は4日、昨今深刻な問題となっている青少年のスマートフォン依存を改善し、自律的に端末を利用できるようにするとともに、勉強意欲を刺激、学習をサポートしていくことを目的として、ホームアプリ「勉強うながしホーム」を開発したと発表した。
「勉強うながしホーム」は、米国の経済学者R.H.Thalerと法律学者のC.R.Sunsteinが提唱する「Nudge」の設計思想をもとに生み出された、スマートフォンの過度な長時間利用を抑制し、勉強の習慣づけ等に役立つアプリの適切な利用を促進する仕組みのホームアプリ。
「Nudge」は、行動経済学の研究分野ではよく知られた考え方で、選択を禁ずることも、経済的なインセンティブを大きく変化させることもなく、人々を予測可能なかたちで変える選択アーキテクチャのあらゆる要素のことを指すと定義されている。
「勉強うながしホーム」は、この考え方を活かして再設計されており、これまでのWebおよびアプリのフィルタリング手法ではなく、心理学的なアプローチで、自然に中高生らの行動を変えていく点を最大の特徴としている。
2つのモードで利用を管理、自ら過度な利用を控える習慣づけを促す!
「勉強うながしホーム」は、一般的なホームアプリとは異なり、「通常モード」と「勉強モード」の2つのモードからなる。「通常モード」においては、利用時間の表示や時間とともにひび割れていく背景画像のイメージ、抑制通知を出す「保護者キャラ」の導入などにより、適切なスマートフォン利用への気づきを与え、過度な長時間利用を自ら控える習慣をつけさせる。
一方の「勉強モード」には、学習支援アプリや最低限のアプリなどのみを登録しておくことで、スマートフォンがそばにあっても勉強に集中できる環境を確保できるようになる。
「通常モード」と「勉強モード」の切り替えは、「休憩する」・「勉強する」の各ボタンタップで行えるほか、あらかじめ設定した時刻で自動遷移したり、一定時間が経過すると「通常モード」に戻ったりといった仕組みが設けられている。
KDDI研究所では、今後トライアルを通じ、このホームアプリにおける“うながし”という心理的アプローチの有効性を評価していくといい、中高生自身から保護者まで、みなが安心・安全と感じられるスマホ環境を提供すべく、「勉強うながしホーム」の改善を進めていきたいとしている。
(画像はプレスリリースより)

株式会社KDDI研究所 プレスリリース
http://www.kddilabs.jp/press/2016/030401.html