ドローンで注文品をお届け!まずはゴルフ場で展開
楽天株式会社は25日、一般消費者向けの新たな配送サービスとして、ドローンを活用した「そら楽」の展開を開始すると発表した。5月9日よりサービスをスタートさせる。
「そら楽」第1弾として、まずゴルフ場のコース内でプレイヤーがスマートフォン向けの専用アプリから注文した商品を、ドローンでコース内の受取所まで届けるサービスを提供する。千葉県御宿町のゴルフ場「キャメルゴルフリゾート」で約1カ月間運用し、ユーザーからのフィードバックや運用状況などを分析したうえで、今後のサービス継続・拡大および他のゴルフ場でのサービス展開などについて、具体的に検討していく予定だという。
専用アプリは当面Android版のみの提供となり、手持ちの端末にダウンロードのうえ、楽天会員IDでログインして用いる。注文画面から、ゴルフ用品や軽食、飲み物などの注文が行え、その時点で注文できる総量なども画面からチェックできるほか、注文・購入した商品の発送準備開始時と配送ドローンの飛行開始時には、プッシュ通知で連絡を受け取ることができる。
注文は合計100円(税込)以上から可能で、決済はクレジットカードまたは楽天スーパーポイントで行う。最大積載量は約2キロだが、風速などに応じて積載可能総量が変化しうるため、詳細は注文画面で示す。利用料・送料は当面無料だ。営業時間は8:30~15:00の予定で、安全面から雨天時または一定以上の風速が計測される天候時は営業が中止される。
将来は過疎地への配送や災害時の物資運搬、一般ECへも拡張予定
サービス開始時点で、約100種の商品を用意する予定といい、アプリを通じた注文がなされると、運営側が専用デポに待機するスタッフへ連絡、商品を配送用ボックスに梱包して、ドローン機体へ取り付けさせる。
スタッフが専用タブレットの管理画面で発送開始操作を行うと、ドローンが自立飛行を開始してゴルフ場コース内の受取所まで飛行、着陸してから荷物を自動投下(リリース)したのち、再び離陸ポイントへ自動で帰ってくる流れとなっている。
使用されるドローンは「天空」と名付けられたもので、今年3月に楽天が出資した株式会社自律制御システム研究所(ACSL)の開発した機体を、楽天とACSLが共同でサービス向けに改良・開発して完成させたもの。荷物リリース機能の追加搭載や、着陸における楽天技術研究所の画像認識技術の活用などがなされている。
「天空」機体には、ACSL独自開発の国産オートパイロットが搭載されており、強風時でも高い飛行安定性能を発揮、確実に荷物を届けられるという。またデザインは、ゴルフ場でも視認性が高く、利用者に身近に感じてもらえるようなものとした。
楽天では、今回の「そら楽」開始を通じ、ドローンを身近に感じてもらいたいとするほか、将来的には過疎地や山岳地帯での配送、災害時の救援物資運搬、「楽天市場」などの一般eコマース事業でもドローンを活用した配送サービスの展開を実現していきたいとしており、そのために必要となる技術やオペレーションノウハウを蓄積していく方針ともした。
(画像はプレスリリースより)

楽天株式会社 プレスリリース
http://corp.rakuten.co.jp/news/press/2016/0425「そら楽」 案内ページ
http://soraraku.rakuten.co.jp/