トレンドマイクロが緊急対策として提供を開始
トレンドマイクロ株式会社は27日、日本国内での被害が増加しているランサムウェアへの対策として、ランサムウェアによって暗号化されたファイルを復号することができる「ランサムウェア ファイル復号ツール」を公開、同日より一般個人・法人向けのそれぞれで無償提供を開始した。
ランサムウェアは、感染したコンピュータをロックしたり、ファイルを暗号化したりすることで利用できなくしたのち、感染前のもとの状態に戻すことと引き替えに「身代金」としての金銭支払いを要求するタイプの不正プログラム。スパムメールや、改ざんされたサイトから誘導された不正サイトを通じて感染する。
ケースによっては、感染した端末内のファイルだけでなく、ネットワーク共有上のファイルも暗号化され、利用不能になることもある。いったんファイルが暗号化されてしまうと、ランサムウェアの駆除を行っても、ファイルをもとには戻せない。
相談窓口も設置、まずは予防と対策を!
公開された「ランサムウェア ファイル復号ツール」で対応できるランサムウェアは、CryptXXX(バージョン2)、TeslaCrypt(バージョン1)、同(バージョン3)、同(バージョン4)。すべての暗号化されたファイルの復号を保証するものではないが、利用不能となっているファイルの復旧を試みることができる。
個人向け、法人向けがそれぞれ専用ページから提供されており、ダウンロードして用いる。ダウンロードしたファイル「RansomwareFileDecryptor 1.0.1523 MUI.exe」をダブルクリックで実行すると、利用規約画面が表示されるため、それに同意して進む。
ランサムウェアの選択画面へと遷移するので、暗号化されたファイルの拡張子が「.crypt」になっている場合は「CryptXXX」を選択、一方、拡張子が「.ECC」、「.XXX」、「.TTT」、「.MP3」、「.MICRO」になっている場合や拡張子の変更はみられないもののファイルは開けないという状態の場合は「TeslaCrypt」を選択してOKをクリックする。
表示画面下部の「ファイルの選択」をクリックし、暗号化されたファイルやファイルが保存されているフォルダを指定、OKをクリックすると、自動的に指定ファイル(フォルダ)のスキャンと暗号化されたファイルの復号がスタートする。
このほかトレンドマイクロでは、同社製品のユーザー以外も利用できる、ランサムウェアに関する無料相談窓口を設けており、一般個人からはナビダイヤルで土日祝日を含む9:30~17:30、法人からは東京03の通常電話で平日のみの9:30~17:30のあいだ、相談を受け付けている。詳細はリリース資料などで確認を。

トレンドマイクロ株式会社 プレスリリース
http://www.trendmicro.co.jp/jp/20160526051336