ユーザーデータを渡さなくてよい、新たなログイン機能
米Facebookは現地時間の4月30日、サンフランシスコで開催した開発者向けカンファレンス「F8」において、登録されているユーザー個人情報を渡すことなく、サードパーティアプリを利用することができる新ログイン機能「Anonymous Login」(匿名ログイン)を発表した。
Facebookでは、サードパーティアプリにFacebookのアカウントでログインする「Facebook Login」機能を提供している。ユーザーは、サードパーティアプリのサービスを新たに利用する際、これを用いることで、別途ユーザー名やパスワードを設定するといった手間を省くことができるが、一方でアプリ開発者らにFacebookにある個人情報を提供したり、ユーザーのアクティビティの自動投稿などを許可したりしなければならなかった。
「Anonymous Login」機能は、こうしたアプリ側に個人情報を渡すのが不安というユーザーからのフィードバックを受けて作成されたもので、現在、複数の開発者とテストを行っているという。今後数ヶ月のうちにさらに多くの開発者に提供し、テストを重ねる方針だ。
(画像はプレスリリースより)
移行も簡単、通常ログインも細かな調整設定が可能に
「Anonymous Login」に対応するアプリの場合、通常の「Facebook Login」と「Anonymous Login」のどちらでログインするか、選択する画面が表示され、「Anonymous Login」を選べば、1タップでログインできる。
「Anonymous Login」から通常のログインへの移行は簡単にできる仕組みとなっているため、まずは匿名ログインで幅広いユーザーに試用してもらい、サービスとして信頼を得られれば、ユーザーデータが獲得できるという流れを作ることが可能だ。Facebookでは、これにより利用者の増加も期待できるとしている。
通常の「Facebook Login」についても、アップデートが発表された。こちらでは、アプリに提供する情報をより細かく調整設定できるコントロール機能を追加。友だちリストやメールアドレス、誕生日など項目ごと情報提供を行うかどうか、任意に選択できる。ただし、公開プロフィールのような最低限のユーザー情報は提供を拒否することはできない。この新「Facebook Login」へのアップデートは、数ヶ月中に全ユーザーが利用できるものとなる見込みだ。
ほかに、アプリ設定のページについてもリニューアルを実施することが明らかにされた。Facebookアカウントでログインしたアプリの削除や設定変更など管理が簡単になり、現在の設定がすぐに確認できるようになる。なお、「Facebook Login」と「Anonymous Login」は別々のタブでまとめられる。こちらのリニューアルは、向こう数週間で利用可能となるという。

Facebook Newsroom(プレスリリース)
http://newsroom.fb.com/news/2014/04/