サカワとカヤックが開発、発表
黒板メーカー大手の株式会社サカワと、デジタルコンテンツ事業を手がける株式会社カヤックは20日、教室のアナログ黒板をデジタル化するハイブリッド黒板アプリ「Kocri(コクリ)」を発表した。5月20日~22日の期間、東京ビッグサイトを会場として開かれた「教育ITソリューションEXPO」で公開されている。
「Kocri」は、サカワとカヤックが昨年から共同での取り組みを開始した「みらいのこくばんプロジェクト」によって製品化されたもの。スマートフォンとプロジェクターを用い、従来の黒板と電子黒板の長所を兼ね備える“未来の黒板”を実現する、ハイブリッド黒板アプリとなっている。
現時点ではiOSのみの対応で、7月にも発売を開始する予定という。アプリの販売想定価格は5,000円だ。プロジェクターとApple TV、iOS端末があれば、この専用アプリをインストールすることで利用できる。月額料金などはかからない。
書くのが難しい絵や図形、過去の板書もすぐに表示!
教師はPCやスマートフォンで授業資料を作成しておく。jpg、png、pdf、mp4などのファイルに対応しており、これらデータをすぐに黒板で表示できる。iTunesやDropboxでのデータ移行にも対応する。
昨年、同EXPOで発表されたプロトタイプでは、PCと専用プロジェクターが必要だったが、今回は「Kocri」アプリを起動し、Apple TVを経由しさえすれば、どのプロジェクターでも利用できるものへと改良された。この技術は特許出願中であるという。
表示はインターネット環境がなくても可能で、起動時間を待つ必要もなく、すぐに画像や動画教材を黒板に映すことができる。スマートフォンカメラで生徒のノートを撮影し、即座に黒板で表示させたり、あらかじめ用意した図形・グラフの表示はもちろん、過去に用いた授業素材も日付で呼び出して一発表示させたりすることが可能だ。
写真で示す方が効果的なものや、地図など黒板に書くのが大変なものも、自由自在に黒板へ映せる。ポインタ表示機能や方眼紙・英語ノートなど任意の幅・タイプのガイド線を表示した黒板へと変身させるガイド表示機能などもあり、スマートな授業進行をサポートする。
図形や映像を映す必要がないときには、ワンクリックで全表示をオフにするミュート機能も搭載し、アナログ黒板の長所もしっかりと活かす。カヤックでは、今後も「Kocri」発売まで、適宜最新情報を公開していくとしている。
(画像はプレスリリースより)

株式会社カヤック プレスリリース
http://www.kayac.com/news/2015/05/kocri_expo「Kocri」 公式サイト
http://kocri.com/