マルチデバイスを自在に連携、ワンソース・マルチ化
日本電信電話株式会社(NTT)が8日、次世代Webブラウザの標準仕様であるHTML5を用いた1つのコンテンツを、さまざまなデバイスに合わせ、自動で分割および連携することができる「HTML5コンテンツ分割・連携技術」を開発したと発表した。
これにより、HTML5を用いたWebアプリケーションや映像を含んだコンテンツ等の制作において、デバイスの追加や変更に合わせた修正が不要となり、制作者にとっては、コンテンツ制作の期間や開発費用を飛躍的に削減できるとしている。
また一般家庭内でも、テレビやスマートフォン、タブレット端末など、さまざまなデバイスで1つのコンテンツ(ワンソース)を自在に楽しむ、「ワンソース・マルチスタイル」化が実現するという。
(ニュースリリース別紙より技術概要参考画像)
コンテンツサーバへの負荷も削減
この技術は、各デバイスに搭載されたHTML5ブラウザ(子ブラウザ)と、Webサーバの間で機能するもので、WebコンテンツをDOMというWebの構成要素による部分コンテンツに分割することができる。たとえば、映像、操作画面、情報画面といった分割だ。そしてこの部分コンテンツが、利用シーンに合わせ、各デバイスに自在に振り分けられる。子ブラウザに表示されるコンテンツは一括管理されている状態なので、別々のデバイスに振り分けたコンテンツ同士の動機も簡単だ。そして、サービスの提供側は、1つのコンテンツを用意するだけで、マルチデバイス連携サービスに対応することが可能となる。
この「HTML5コンテンツ分割・連携技術」では、デバイス間のコンテンツ連動を一元的に管理するため、Webサーバにかかるトラフィックの負荷を大きく分散することもできる。
ユーザーとしてひとつの映画を家族で見る際など、映像はスマートテレビ端末に大きく映し出し、ある1人はスマートフォンで英語音声と字幕を見る、またある1人はスマートフォンやタブレットで、映像に登場するものの情報を調べる、また家庭内の家電の状態もチェックするといった、個人の嗜好に合わせた楽しみ方ができるとされている。
なおこの技術は、2月14日、15日にNTT主催で開催される「NTT R&Dフォーラム2013」、および3月14日、15日にドイツで開催される予定の「3rd Media Web Symposium」に出展される予定となっている。

NTT持株会社 ニュースリリース
http://www.ntt.co.jp/news2013/1302/130208a.html