IPAが注意喚起を発表
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が1日、スマートフォンにおける新たなワンクリック詐欺請求の手口を確認したとして、ユーザーに対し注意喚起を促す発表を行った。それによると、依然パソコンでの手口が多くを占めているが、昨今、スマートフォンのアプリでの相談も増加しているという。
新たな手口として確認したのは、Google Playにおいて発見されたアプリ。アダルトサイトの請求画面を表示させるだけのワンクリック請求アプリで、同機構では今年3月、このようなアプリを複数発見したという。
このアプリでは、実行するとアダルトサイトが立ち上がり、画面に従って進むと、登録の完了と請求画面が出現するようになっているそうだ。
(画像はイメージ)
正しい対処法を知って安全な利用を
従来のメールやインターネット検索から誘導するものとは異なり、アプリの公式マーケットに存在するアプリであるため、より注意が必要だ。しかし、今回のアプリのタイプでは、仮にインストールしてしまっても、個人情報を外部に送信するなどといった被害は生じない。とはいえ、だまされたと思いこみ、心理的に追い込まれて、金銭の支払いに応じてしまう可能性もある。
これまでに報告されている、端末の個人情報を外部に送信する仕組みとなっているような不正アプリは、インストール時にアクセス権限の許可をチェックすることで回避することができる。しかし、今回新たに報告されたワンクリック請求アプリは、そうした仕組みがないために、かえってアクセス権限の要求は「ネットワーク通信」のみであることから、不審かどうかの判断が難しく、詐欺アプリだと気付きにくい面があるという。
万が一、Android端末でこうしたアプリをインストールしてしまった場合の対処法としては、端末を再起動すれば請求画面の表示もされなくなるので、そうしたのちに該当アプリをアンインストールすればよい。ユーザーをあわてさせるような、巧みな表示がなされるが、焦らずに落ち着いて対処することが大切だ。それでもサイト側からのしつこい請求などがあった場合には、必ず最寄りの警察機関などに相談しよう。
なお、iPhoneやiPadなどiOS端末における類似事例では、誘導方法はアプリではなく、メールや掲示板、インターネットの検索からとなっているという。この場合、請求画面はブラウザーに残ったキャッシュであるため、再起動しても表示は続く。対処としては、Safariのタブ一覧削除や履歴の消去が有効だ。
さらに詳しい情報や対処方法は、IPAのサイトで紹介されているので、そちらを参考にしてほしい。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA) 呼びかけ
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2013/