年内にも技術を活かしたカーナビ発売へ
クラリオン株式会社は10日、Googleとのあいだで、音声認識の「Google Voice」、検索技術の「Google Places」について、その技術の活用に関する契約を締結したと発表した。Google アジア太平洋CEOセールスディレクターのRichard Suhr氏と、クラリオン株式会社の泉龍彦取締役社長が出席し、記者会見も開催された。
クラリオンでは、すでに4月1日からこれら技術をとり入れたカーナビ製品の開発に着手しており、年内にも新製品として発売する見込みという。
現在の「Smart Access」クラウドサービスを拡充
現在、クラリオンでは、独自の自動車向けクラウド情報ネットワークサービスとして、「Smart Access」(スマートアクセス)を日立グループの協力を得て立ち上げ、運用している。このサービスに、Google Voice、Google Placesの技術をプラスし、拡充されたサービスとして提供していく方針だ。
Googleは、Google Voice API、Google Places API、Send-To-Carをクラリオンに提供する。Google Voice APIは、音声検索をAPIを介して利用可能とするサービスで、Google Places APIは、Googleが保持する店舗やレストランに関する電話番号や地図位置、写真レビューなどの詳細情報をAPI経由で利用できるものだ。Send-To-Carは、Google Mapsのカーナビゲーション向け機能で、事前にパソコンやモバイル向けのGoogle Mapsで調べた目的地情報を、カーナビに簡単に転送できる機能となっている。
最終的な製品では、マップはクラリオンのものを使うといい、Googleマップは通信を介して地理空間情報を利用するものになるそうだ。会見で示された開発中のカーナビ製品によるデモでは、条件に合った店舗を素早く検索したり、「お腹が空いた」「タイヤチェーン、買いたい」といった自然言語での情報検索ができたりと、これまでのカーナビにはないスタイルが実演された。
クラリオンでは、自動車でも、モバイル端末でも、家庭でも、ユーザーが同じ環境で同じサービスを、快適に用いることができるようサービスを提供していくとし、「つながる機能」を装備した同社の車載機を、さらなる付加価値をもったものに進化させるとしている。

クラリオン ニュースリリース
http://www.clarion.com/jp/ja/newsrelease/Google Voice API
http://support.google.com/chrome//bin/Google Places API
https://developers.google.com/places/Send-To-Car
http://support.google.com/maps/bin/