挨拶して店舗を出れば自動支払い完了!
米eBayの子会社であるPayPalが現地時間9日、画期的な新決済システム「PayPal Beacon」を発表し、話題を集めている。このシステムでは、財布やカード、スマートフォンなどに手を触れることもなく、店舗の出入り、口頭による確認のみで、支払いを自動的に完了することができるという。
これまでのクレジットカード支払いならば、レジに並び、カードを取り出して渡し、店舗側がスキャン、サインして、カードを返してもらう、といった一連の作業が必要だ。しかし、PayPal Beaconでは、こうした手間は完全になくすことができるとされている。
利用はごく簡単で、まず消費者ユーザーは、iOS向けもしくはAndroid向けのPayPalアプリをスマートフォンにインストールする。あとはそのスマートフォン端末を持ってPayPal Beaconの対応店舗に入ると、すぐに音やバイブレーションで通知されるため、そこでチェックインを許可するか、決済が発生した場合に確認を求めるか、この店舗における完全なハンズフリーの決済を許可するかなど、それぞれ希望に応じて選択すればよい。
(画像はPayPal Beacon ウェブサイトトップより参考イメージ)
店舗側の負担も少なく便利!2014年初頭のサービス開始を予定
店舗側の導入・運用負担も少ない。PayPal Beacon専用のデバイスを店舗のコンセントに差し込むだけで、すぐに利用できる。PayPalと互換性のあるPOSシステムがあれば、自動的に連動可能となっているほか、アップデートも自動で行われるので、専門的な知識や手間、コストを必要としない。
また、顧客が入店すると、それと同時に登録されている名前がPOSシステムに表示されるので、顧客との密なコミュニケーションをとることも可能となり、“もてなし”に活かせるという。
(画像は公式ブログより)
Bluetooth Low Energyを採用しており、消費者ユーザーはアプリを開く必要もなく、GPSや各携帯キャリアの電波状況が悪い状態でも、問題なく利用できるそうだ。
サービスとして、プライバシーやセキュリティの問題が懸念されるが、PayPalでは、ユーザーの位置情報を絶えず追跡するようなことはしないとし、チェックインしないことを選んだ場合は、PayPalにも店舗にも、一切情報が送信されることはないと説明している。
発表によると、PayPal Beaconは今年の第4四半期中にテストを開始し、2014年初頭にもサービスをスタートさせる予定という。現在ウェブサイトにて、開発者らに対し、このPayPal Beaconの技術を活かしたアイディア募集も実施している。有用なアイディアを提案した開発者100人には、PayPal Beaconサービス開始前に、無料で開発バージョンAPIを使用できる権利が与えられるそうだ。

PayPal 公式ブログ 発表文
https://www.paypal-forward.com/mobile/PayPal Beacon ウェブサイト
https://www.paypal.com/webapps/mpp/beacon