10月よりサービス提供開始
独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)と株式会社川村インターナショナルは10月1日、とくにIT関連の英文マニュアルにおける、英語から日本語への自動翻訳技術を共同開発し、「自動翻訳ソフトウェア」として完成させたと発表した。川村インターナショナルが同日より、このソフトウェアを活用したサービスの提供も開始している。
IT関連の翻訳においては、大量の英文マニュアルを迅速に日本語に翻訳しなければならない。そのため、翻訳ツールや自動翻訳技術の活用が、コスト削減や納期短縮を図る上で有効であると考えられる。しかし、これまでの英語から日本語への自動翻訳技術の品質では、実際の翻訳作業に活用できない状態だった。そこで、こうした問題に対応するソリューション開発を進めてきたという。
(画像は川村インターナショナル サービスページより参考)
カスタマイズ可能な実用的翻訳ソフト
ソフトウェアの開発においては、川村インターナショナルが保有するIT分野の利用に関する対訳データや、この分野特有の表現についての翻訳ノウハウと、NICTのもつIT関連の個別企業の保有する翻訳資産にカスタマイズも可能な高度の自動翻訳技術を融合させたという。これにより、IT英文マニュアルに特化した実用的英日自動翻訳ソフトウェアとなったそうだ。
この自動翻訳ソフトウェアでは、ユーザーが頻繁に使用する用語や、ユーザーの過去の対訳データを追加することで、ユーザー独自の翻訳エンジンにカスタマイズすることができる。NICTの発表では、このソフトの活用により、人手翻訳のコストを30%削減可能としている。
川村インターナショナルでは、今回開発された「英日自動翻訳ソフトウェア」を用いて、各種文書を自動翻訳した後、人手により編集し、翻訳を完成させるサービスや、オンライン自動翻訳のサービスなどを提供する。
今後もNICTと川村インターナショナルは、これ以外の専門分野や、さらなる多言語における自動翻訳ソフトウェアに関し、共同開発を幅広く進めていくという。
なお、今回開発されたソフトウェアを活用したソリューションは、10月9日から東京ビッグサイトで開催される「ITpro EXPO 2013」で発表される予定となっている。

独立行政法人 情報通信研究機構 プレスリリース
http://www.nict.go.jp/press/2013/10/01-1.html川村インターナショナル
http://www.k-intl.co.jp/ja/ITpro EXPO 2013
http://itpro.nikkeibp.co.jp/expo/2013/