「Watson Business Group」を新設
IBMは米国時間の9日、スーパーコンピュータ「Watson」の革新的認知コンピューティング技術の商業ベースにおける利用を促進する、新たなビジネスユニット「Watson Business Group」を設立することを発表した。
IBMはこの事業に関し、10億ドル以上を投資して、さらなる研究・開発を進める予定であるとし、サービスの提供で、市場における自ら学習し、考えることによって改善されてゆく次世代ソフトウェア、サービス、アプリケーションの誕生の加速や、膨大な量のビッグデータから複雑な問題への答えや重要な洞察を見出すことなどに寄与していくとしている。
同社では、分析、クラウド、およびモバイルコマース分野における取り組みも積極的に進めているが、このWatson分野にも力を入れていく方針だ。今後、認知コンピューティング向けのアプリケーション開発を手がけるベンチャー企業への資金提供も行っていくという。
シリコンアレーを本拠地にクラウドサービスなど開始
発表によると、Watson Business Groupは、米ニューヨーク市のシリコンアレーに本拠地を置き、研究、サービス、ソフトウェアおよびシステム部門からの専門家など、多分野にわたるエキスパートを集め、約2,000人の従業員が業務にあたることになるという。グループを率いるのはMichael Rhodin氏。
なお、IBMではWatsonを利用し、3つの新サービスを開始する計画であることも明らかにしている。1つ目は「IBM Watson Discovery Advisor」で、医薬、出版、教育に関する調査を目的とするサービス。Watsonで解析を行うため、研究者らはこれまでよりも大幅にスピードアップして、データやコンテキストを入手できるようになる。
2つ目は「IBM Watson Analytics」で、高度な分析スキルをもたなくとも、視覚的表現を通じてビッグデータを利用することができるようになるもの。大企業の利用を想定したサービスで、未加工のデータセットなどを送ると、自動的にインタラクティブな視覚的フォーマットで解釈した結果を提示してもらえる。
3つ目は「IBM Watson Explorer」で、ビジネスユーザーやデータ科学者、ビジネス機能をターゲットとするあらゆる人々に対し、データ駆動型の情報を表示するだけでなく、任意のトピックの包括的・文脈的な知見をもたらす情報に富んだリッチアプリケーションを開発するためのフレームワークを提供するとしている。

IBM プレスリリース
http://www-03.ibm.com/press/us/en/pressrelease/IBM Watson
http://www.ibm.com/smarterplanet/us/en/ibmwatson/