サイバー攻撃やウイルス感染を体験、防御演習実施
総合セキュリティ企業として知られるセコム株式会社の情報系グループ会社、セコムトラストシステムズ株式会社は14日、サイバーセキュリティ分野で培った技術力とノウハウを広く提供していくため、サイバー攻撃に対処するための要員訓練を行う「サイバー道場」を開設すると発表した。
この「サイバー道場」は、原則として東京都内にあるセコムの研修センターで毎週開講していくもの。企業や官公庁などを狙った標的型攻撃に代表されるサイバー攻撃の増加に伴う情報漏えいをはじめとする被害の拡大防止に活かしてもらうことを目的として実施する。
企業などに受講希望者を募り、「サイバー道場」でサイバー攻撃の脅威から身を守る術を教育・伝授するという。研修期間は1泊2日で、料金は8万円から(宿泊費は無料)。初年度はのべ600人の受講者育成を目指すとしている。
(画像はプレスリリースより)
受講後のサポートも用意
演習は、本物のサイバー攻撃やウイルス感染を体験することのできる「サイバー道場システム」をセコムのデータセンター内に構築して、実際の企業ネットワーク環境を再現した仮想環境で行う。
演習プログラムは、まず「道場入門 基本プログラム」として、攻撃者の立場になって遠隔操作ウイルスによる感染被害についての理解を深める。次に「サイバー攻撃 対処プログラム」として、標的側の立場となって、メール攻撃や不正改ざんされたWebサイトによるサイバー攻撃、通信内容の不正操作によるMITB攻撃などを体験、有効な対処法を学ぶ。
さらに「実態調査(デジタルフォレンジック) 対処プログラム」として、ウイルス対策ソフトで検知されないウイルスに感染したパソコンから、デジタルフォレンジックの手法によりウイルスを発見する実習も行うという。ファイルシステム解析やログファイル解析などを体験し、証拠保全や解析までの実態調査手法を学ぶことができる。
受講後のサポート体制も充実しており、各企業などに受講者が戻った後も、希望者にはサイバーセキュリティ対策に関する情報提供や相談に応じていくという。また、セコムが約70名をもって組織している情報漏えいやウイルス感染の脅威に関し、すぐに出動できる技術者集団の「サイバー消防団」との技術交流会の開催や、技術支援・応援などによって、高度化するサイバー攻撃に共同で対処していくことも視野に入れている。

セコムトラストシステムズ株式会社 プレスリリース
http://www.secom.co.jp/corporate/release/