タンパク質分解誘導を機序とする新規医薬品を開発
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(以下「東大IPC」)は、2020年5月28日、ファイメクス株式会社に対して2億円の出資を行うと発表した。
東大IPCは、東大周辺のイノベーション・エコシステムの発展を目指してベンチャー投資などを手がける企業。ファイメクスは、武田薬品工業株式会社からのカーブアウトベンチャーであり、タンパク質分解誘導を機序とする新規医薬品の研究開発に取り組んでいる。
プラットフォーム『RaPPIDS』を開発
ファイメクスは、武田薬品にて創薬研究に従事していた冨成祐介氏を中心とするチームが、2018年1月に独立する形で設立された。以来、タンパク質分解誘導剤の開発を進めている。
タンパク質分解誘導による新規医薬品開発では、最適な薬剤の設計が困難であり、地道な設計・検証作業が必要とされる。この課題を解決すべくファイメクスは、最適な化合物を迅速に探索可能なプラットフォーム『RaPPIDS(Rapid Protein Proteolysis Inducer Discovery System)』を開発。タンパク質分解誘導剤のシステマチックかつ効率的な開発を可能にした。
同社はまた、薬剤設計の自由度を高める独自の分子も複数保有。『RaPPIDS』と組み合わせ、がん疾患に関連するタンパク質を標的とする新薬開発プログラムも進めている。
オープンイノベーションの成功事例創出を目指す
東大IPCによる今回の出資は、同社が運営するAOI1号ファンド(オープンイノベーション推進1号投資事業有限責任組合)の最初の投資案件として実施されるもの。このファンドは、「企業とアカデミアとの連携によるベンチャーの育成・投資」をコンセプトとして、2020年に組成されている。
この出資により同社は、新たな分野におけるオープンイノベーションの成功事例創出を目指すとしている。
(画像はプレスリリースより)

ファイメクス株式会社への出資を決定 - 東京大学協創プラットフォーム開発株式会社
https://www.utokyo-ipc.co.jp/2020/05/fimecs/