世界最高の周波数利用効率を実現!
日本電気株式会社(NEC)は13日、光ファイバーを用いた電送ネットワークで、1ファイバーあたり毎秒34.9テラビットの大容量通信を、6,300キロという長距離間で電送する実験に成功したことを発表した。この実験における周波数利用効率は8.3ビット/s/Hzで、従来の長距離光伝送における世界記録だった7.1ビット/s/Hzを上回り、新記録を達成するものになったという。
6,300キロという距離は、大西洋を横断する距離に匹敵するほか、周波数利用効率8.3ビット/s/Hzという値は、その理論上の限界値であるシャノン限界に0.5デシベルまで迫る、驚異的なものとなっている。
大陸間光海底ケーブルのさらなる大容量化に期待
今回の実験では、正規分布を用いた64値振幅位相変調方式「DP-64APSK」と、誤り訂正符号化技術、非線形波形歪耐力に優れた準シングルモードファイバ技術を組み合わせて用いたといい、1.55マイクロメートル帯のCバンド周波数帯域で、1ファイバーあたり毎秒34.9テラビットの通信を、6,300キロという長距離間で実現している。
周波数は通信システムにおいて必要不可欠な有限の資源であり、帯域の効率的な利用は、大容量電送をかなえる上できわめて重要なポイントになる。そのためNECでは、周波数利用効率の向上が、容量あたりにおける電送装置などの設備投資低減と、ファイバーの伝送容量最大化に貢献するものと見込んでおり、今回の実験成果は、大陸間光海底ケーブルのさらなる大容量化に寄与するだろうとしている。
NECは、過去40年にわたって海底ケーブルシステム事業を手がけており、同領域のトップベンダーとして、地球6周分、のべ25万キロを超える敷設実績をもつ。同社およびグループは、今後も積極的な研究・開発を進め、先進ICTや知見を融合して、豊かな社会を支える情報基盤の確立に貢献していきたいとした。

日本電気株式会社 プレスリリース
http://jpn.nec.com/press/201606/20160613_02.html