モバイル回線通信速度をシンプルに計測・表示
動画配信サービス「Netflix」を運営する米Netflixは、現地時間の9日、モバイルデバイス向けの回線速度計測アプリ「FAST Speed Test」をリリースした。対応OSはiOS 7.0以降、Android 4.0以上で、それぞれApp Store、Google Playから無料で入手できる。
Netflixでは、ユーザーがインターネット接続のストリーミング速度を自分でチェックすることができる専用サイト「FAST.com」を今年5月に公開したが、「FAST Speed Test」はそのモバイル版サービスを提供するアプリにあたる。
アプリを起動するだけで即座に計測テストがスタートし、その環境におけるインターネット回線の下り速度をリアルタイムでチェック、計測を完了するとシンプルな画面で結果を表示する。結果数値の横にあるリロードボタンをタップすると、再テストが実行される。モバイルデータ通信はもちろん、Wi-Fiや有線LAN回線にも対応しており、現在の接続環境・通信状態を知りたいときには、利便性の高いツールといえるだろう。
NetflixのクオリティPR、サービス向上のデータ収集にも活用
「FAST Speed Test」を開発するにあたり、Netflixでは、ユーザーがリアルに用いているインターネット回線の速度状況を、正確かつ安定的な結果として知ることができるようにすること、またできる限り素早く起動・実行し、すぐに結果を理解できるシンプルな情報表示で返すこと、そして個別のアプリインストールを要求することもなく、ほとんどのデバイスで動作する利便性の高いものにすることを目指したという。
回線速度には、ユーザーのローカルなネットワークやデバイスおよびルーターそのものの性能など、さまざまな要素が影響を与えうるが、Netflixでは、サービスをシンプルながら信用性の高い意義あるものとすべく、変数要素を吟味して、サーバーの場所やサーバーにおける負荷、用いられているTCP接続の数、ダウンロードコンテンツの数や種類、データ集計に用いる方法論といったものを選び出したとしている。
Netflixのサーバーから一連のダウンロードが実行され、全体的な通信速度を表示するサービスであることから、ユーザーにツールとして利用してもらうことで、「Netflix」コンテンツのスムーズなストリーミングのためにその接続速度が十分なものであるか確認する契機を作り出せ、「Netflix」の利用につなげやすいというメリットが、提供するNetflix側にはある。
また、Netflixのストリーミングサービスクオリティが優れていることをアピールする宣伝素材としても機能すると見込まれる。Netflixでは引き続き、本体サービスとなる「Fast.com」について、現在のインターネット環境におけるパフォーマンスを、よりシンプルに正確に測定できるものとすべく、モニターとテストを行っていくともした。
(画像はプレスリリースより)

The Netflix Tech Blog 該当発表記事(プレスリリース)
http://techblog.netflix.com/2016/08/building-fastcom