Linux版、OS X版の公開をGitHubで開始
米Microsoftは現地時間の18日、Windowsに標準搭載されている拡張可能なコマンドラインインターフェースシェルであり、スクリプト言語で在る「PowerShell」をオープンソース化し、LinuxやOS X環境でも利用できるようにすると発表した。すでにLinux版、OS X版のアルファ・ビルドやソースコードをGitHubで公開、提供を開始している。
Microsoftでは、今日のマルチプラットフォーム化、マルチクラウド、マルチOS化に合わせ、オープンソースへの取り組みを強化してきており、ユーザーがさまざまなデバイス、ツールを自由に用い、どんなプラットフォームでも、どのような環境でも、ともに作業できる環境づくりを進めている。
「PowerShell」は、「.NET Framework」上で構築されたタスクベースのシェルおよびスクリプト言語となっており、これまではWindows向けとしてのみ提供され、Windows 7以降で標準搭載、管理の自動化などに利用できるものとなっていた。今回のオープンソース化で、LinuxとOS Xでの管理自動化も可能になる。
Microsoftではこの発表に先駆け、「.NET Framework」のオープンソース化も実施しており、「.NET Core」をLinuxとOS Xでも利用できるようにしていた。
Linux向けの「PowerShell Editor Service」も
また開発チームでは、マルチOS化をさらに促進させる、Linux向けの「PowerShell Editor Service」も創出、「Visual Studio Code」や「Sublime」といった各種エディタとの連携を実現しており、これら各ユーザーが日常的に用いている使い慣れたエディタで「PoweShell」を利用できるようにした。
加えて、OpenSSHをネイティブトランスポートとする「PoweShell Remoting Protocol(MS-PSRP)」の拡張を行うとしており、これによってユーザーは、トランスポートとしてSSHあるいはWINRMを用いるオプションも手にすることになる。
「PowerShell」は非常に拡張性が高く、Microsoftの「Operation Management Suite(OMS)」を統合しているため、AzureやAWS、Windows Server、Linux、VMware、Google Cloud Platform、オンプレミスのデータセンターなど、アプリケーションやワークロードがどのプラットフォーム上にあっても、その管理を行うことができる。
取り組みはまだスタートしたばかりであり、Microsoftはまだその状況を“学習中”であるとしているが、この「PowerShell」オープンソース化で、WindowsとLinuxの運用チームの共同作業でも、異なる環境下を意識せず、これまでのツールを用いた管理の自動化などが実行できるようになるため、スムーズなコラボレーションが実現されると見込まれている。
Microsoftでは、新たな局面を迎えた「PowerShell」について、ユーザーからの意見を参照にさらなる進化を目指すとし、コミュニティへの積極的な参加も呼びかけた。
(画像はプレスリリースより)

Microsoft Azure 公式ブログ 発表記事(プレスリリース)
https://azure.microsoft.com/en-us/blog/GitHub : PowerShell
https://github.com/PowerShell/PowerShell