新ブランドとして発表
米Googleは現地時間の9月29日、同社が手がけるクラウド関連の事業を再編し、新ブランド「Google Cloud」として提供していくと発表した。また、この中に含まれる企業向けのクラウド型プロダクティビティ スイート「Google Apps for Work」については、名称を「G Suite」に改め、多数の新機能を追加、人工知能の機械学習技術を応用した機能なども搭載させている。
「Google Cloud」は、「Google Cloud Platform」から「G Suite」に改称した「Google Apps for Work」、「Cloud Machine Learning」やそのAPI、企業向けのマップAPIである「Google Maps APIs」といったクラウド型サービスから、これらクラウドへアクセスするためのAndroidスマートフォン、タブレット、Chromebookといったハードウェアまで、クラウドを念頭に開発された幅広い製品群を含むブランドとして新たに定義された。
公式ブログでは、「Google Cloud」は、顧客にデジタル世界での簡単かつ最高の作業環境を提供する製品や技術、サービスの幅広いポートフォリオであり、事業主の規模にかかわらず、あらゆるスタイルで活用できるものとして、展開されていくものだとされている。
カスタマーサービスの強化なども発表
新ブランド「Google Cloud」の誕生にあわせ、顧客企業がこれを導入・クラウド移行を進めるにあたり、Googleの各専門エンジニアがサポートしていくという、カスタマーサービスの強化も発表された。
また「Google Cloud Platform」については、すでにエンドユーザーが10億人を突破したといい、こうした規模拡大に対応するため、新しいリージョンを追加するとした。新規に開設されるのは、ムンバイ、シンガポール、シドニー、米国の北バージニア、サンパウロ、ロンドン、フィンランド、フランクフルトの8箇所とされている。
さらにクラウドデータ分析が行える「Google BigQuery」のアップグレードが実施されたほか、機械学習プラットフォームの「Cloud Machine Learning」は、アルファ版提供からベータ版提供へ進展、ごく限られた企業向けにローンチされていたが、新たに全顧客企業が利用できるものとなった。
「Google Apps for Work」から、新たに「G Suite」となったクラウド型プロダクティビティ スイートは、従来通りGmail、Google Drive、Googleドキュメント、Googleスプレッドシート、Googleカレンダー、ハングアウトなどから構成される。
Googleドライブ内のファイル検索にかかる時間を短縮し、機械学習技術をベースに素早く目的のファイルを提示する「Quick Access」機能や、Google Docsのコンテンツ作成を自動解析によってサポート、具体的なデザイン案や数式などを提示する「Explore」機能などが新機能として登場した。
なおGoogle Driveには、チームでの利用を前提とした「Team Drive」も追加され、従来のようにユーザーを招待してファイルを共有するのではなく、直に複数メンバーでドライブを共有、チーム内メンバーならば、共有設定などをしなくとも、ファイルにアクセスできる仕組みも生まれている。ただしこちらはプレビュー版提供で、利用には参加申し込みが必要となっている。
(画像はプレスリリースより)

Google Cloud Official Blog(「Google Cloud」について)
https://cloud.googleblog.com/Google Cloud Official Blog(「G Suite」について)
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