「Adobe MAX 2016」で新アプリなど発表
米Adobeは現地時間の2日、クリエイター向けの大型イベント「Adobe MAX 2016」において、開発中のプロジェクトを含む「Creative Cloud」のイノベーションについて多数の発表を行った。
新たなフレームワークとなるインテリジェントサービスの「Adobe Sensei」や、「Premiere Pro」、「After Effects」、「Photoshop」、「Illustrator」などのデスクトップアプリにおける機能追加更新、写真編集ソフト「Photoshop CC」におけるブラシ機能など多数の機能改善についても明らかにされたが、新サービスや新ソフトの公開も多く、なかでも完全なる新作となるアプリ「Project Felix」が注目されている。
「Project Felix」は、2Dの背景画像と3DCGのオブジェクトを組み合わせて、新感覚のフォトリアリスティックな画像を作り出すことができる業界初のデザインツール。3Dグラフィックスの知識がなくても利用でき、これまで2Dの制作のみを手がけてきたグラフィックデザイナーでも、違和感なくスムーズにコンテンツの作成が行えるという。
手軽に高品質な2D・3Dミックス画像が作れる!
デザイン画面のUIは、他のデザイナー向けツールとほぼ同様で、左側にライブラリパネルを配置。ここから必要なアセットを選択し、中央キャンバスへ置いていくことで作成を進める仕様となっている。
3Dマテリアルについては、有償のプリセット、無償のプリセットが用意され、ライブラリで提供されるほか、アプリ内から直接「Adobe Stock」に設けられる3Dメニューから任意のものを選び出して追加、利用することもできる。他のユーザーから作品ベースを購入し、オリジナルのカスタマイズを加えた上で、最終的に2D背景画像と組み合わせて完成させるといったことも可能だ。
「Creative Cloud」の他アプリと同様、各種素材を対応アプリ間で共有して用いることもできる。3Dオブジェクトの入手済み・作成済みコンテンツに対しては、サイズをパラメーターで調整したり、別画像を表面に貼り付けたりといった操作が可能で、細かな色変更やロゴの追加なども自在に行える。
2D・3Dの高品質ミックス画像を作成する際の大きなハードルとなる、自然な「位置合わせ」やライト調整については、機械学習の応用によるサポート機能が導入されており、自動処理を実行させることもできる。
レンダリングはリアルタイムで行われるため、「Photoshop」に書き出してデザインを完成させる前に、編集しながら作品のプレビューをチェックできる点もポイントとなっている。書き出しの際には、レイヤーなどを維持しながら「Photoshop」へ移行させ、最終的な細部の調整を行うといったシームレスな利用も可能となる。
対応はWindows/Macで、近日中にもベータ版をCreative Cloudメンバー限定で公開、提供を開始する予定だ。ただし、まずは英語版のみでの提供となり、その後各国語版へとローカライズされていくという。
(画像はプレスリリースより)

Adobe Creative Cloud 「Project Felix」について(プレスリリース)
https://blogs.adobe.com/アドビシステムズ株式会社 ニュースルーム
http://www.adobe.com/