IoTソフト基盤事業へ参入、来年1月にもサービス提供開始
インフォテリア株式会社は27日、IoTソフトウェア基盤に新規参入することを発表し、その第1弾としてIoTデバイスの現場業務における活用を支えるモバイルクラウド基盤「Platio(プラティオ)」を来年1月下旬から提供するとした。正式サービスの開始に先駆け、無償の評価版提供を開始している。
さまざまなシーンでのIoT活用が期待されているが、業務に活かすためには、個々の業務プロセスに合ったIoT対応モバイルアプリが必要となる。しかし、まだ成熟段階にない現在では、現場との対話を通じて柔軟かつ迅速にアプリの更新を行い、業務の改善にあたっていく必要がある。
こうした適切なモバイルアプリ環境の構築には、個々の専用アプリ開発に加え、業務データや認証情報を保存するサーバーの準備、現場担当者へのアプリ配布といった工程がそれぞれ独立して必要で、素早いアプリの更新や業務改善・変革を図ることが難しい状況があった。「Platio」はそうした課題を解決し、スムーズな業務現場でのIoT活用をサポートする。
ヘルスケア・土木建設・農林水産などさまざまな現場に革新を!
「Platio」は、IoTデバイスを活用した専用アプリ開発とサーバー側プログラムの開発、現場へのアプリ配布、システム全体の運用を誰でも簡単に行えるように設計されたソフトウェア開発基盤。カスタマイズ可能なテンプレートを用いてスピーディにアプリを開発できるなど、特別なプログラミングの知識がなくても取り組むことができる。
データベースはアプリデータ構造から自動的にクラウドで準備され、スムーズなアプリの配布・活用、必要に応じた更新までが可能になるという。
血圧計や体温計、体重計といったヘルスケア領域のデバイスや、Senic社のユーザー操作データを取得する「Nuimo」、Cerevo社の9軸センサーや気圧センサーを搭載した「BlueNinja」などは。すでに対応デバイスとなっており、これら対応済みIoT機器であれば、特別な準備を施すことなく「Platio」から即座に接続を開始、自動でデータ収集をスタートさせることができる。対応機器は評価版提供を通じ、今後順次追加予定とされている。
正式サービス開始時には、iPhoneやiPadに対応し、順次対応モバイル機器も拡張していくという。通信はBLEをサポートし、モバイル機器の進化に応じてこちらも対応を拡大させていく方針だ。インフォテリアでは、ヘルスケアや土木建設、農林水産といったフィールド業務での活用を想定しているほか、物流や流通などの現場でも「Platio」でのIoT活用が有効と見込んでいる。
将来的にはM2Mソフトの開発・提供も予定
無償提供される評価版は10月27日~12月28日まで参加募集を行い、11月1日~2017年1月31日まで提供する。IoTデバイスのユーザーとしては、iOSモバイル端末を用いたフィールド業務の改善を検討中または実施中であること、あるいは評価可能なiOSモバイル端末などを保有していることが条件で、IoT機器の提供企業としては「Platio」で対応可能なデバイスを提供しているか、提供予定であることが応募の条件になる。応募方法は公式サイト内の申し込みフォームに必要事項を入力して送信すればよい。
安定した正式サービス実現のため、製品機能ニーズの最終的な見極め、機能の動作確認、サーバーの負荷測定、対応IoT機器の追加・拡大などを目的とした実証実験の位置づけで提供するものとなり、応募者多数の場合はインフォテリアによる選考が行われる。当選すると、登録したメールアドレスに連絡が届く。
「Platio」の対応モバイルはiOS 9以上のiPhone、iPadで、将来的にはWindows 10やAndroidもサポート予定。対応言語は日本語と英語で、中国語版も提供予定となっている。アプリの開発数や配布先数、更新回数、データストア量などに制限はない。ただしアプリ数とデータストア量については、一定以上の場合追加課金がなされることがある。
インフォテリアでは、今後さらに第2弾として“モノをつなぐ”ことでビジネスを自動化するM2Mのエッジコンピューティング基盤「Gravity」(開発コード名)も開発・提供していく予定で、今年度中にはリリースしたいとした。
(画像はプレスリリースより)

インフォテリア株式会社 プレスリリース
https://www.infoteria.com/jp/news/press/2016/10/27_02.php「Platio」 公式サイト
https://plat.io/ja/home