Dropboxが変革するビジネスシーン
米Dropboxは現地時間の1月30日、ビジネス向けの新機能となる「スマート シンク」や「Dropbox Paper」正式版の提供を開始したことを明らかにした。「スマート シンク」は旧「Project Infinite」にあたるもので、「Dropbox Paper」はベータ提供されていたものの正式リリースになる。
「スマート シンク」機能は、シンプルで効率の良い共同作業を実現するための新機能。Dropboxアカウントでクラウド保存あるいはローカル保存した全コンテンツについて、自分のデスクトップファイルシステムからダイレクトにアクセスすることができる。
従来のデスクトップ版Dropboxアプリとは異なり、閲覧環境のローカルディスク容量は、該当するファイルやフォルダを使うまでほとんど消費されないため、残り容量に余裕がなくても、Windows エクスプローラーやMac OSのFinderを用いて、大容量のファイルディレクトリ内から必要な情報を直接見つけ出すといったことが可能になる。
閲覧のみであればWebブラウザへの切り替えなどは不要で、クラウド保存されているファイルにアクセスしたいときは、該当コンテンツをダブルクリックすると、すぐにダウンロードできる。Windows 7以降とMac OS X 10.9以降に対応しているため、幅広く活用できるだろう。
ビジネスにおいて導入環境を効率的かつ適切に保てるよう、管理者向けのコントロール機能も用意された。管理者の権限があれば、管理対象デバイスに同期される新規ファイルについて、クラウドのみに保存されるものとするか、ローカル同期を行うか決定することができる。なおデフォルトでは、クラウドのみの保存となる。
「スマート シンク」を「チームフォルダ」機能と併用すれば、チームで全ファイルを用いた共同作業をスマートに行えるようになり、参加人数が増えても、コンテンツが増加しても、容量不足などに悩まされることなく、管理者が一元管理を行いながら進めていくことができる。
優れたアイデアを育む強力ツール「Paper」
「Dropbox Paper」は、これまでベータ版がテスト提供されてきた、共同作業をサポートする柔軟なワークスペースツール。大手企業や200以上の国と地域におけるユーザーから寄せられたテスト利用におけるフィードバックを活かし、より利便性の高い正式版となって、21カ国語対応でのリリースとなった。
画像や動画、音声コンテンツなどを貼り付けたドキュメントをWebブラウザ上やスマートフォンアプリ上で作成でき、リアルタイムで共有して共同編集を行っていくことなどができるクラウドサービスとなる。
管理者はタスクに期限を設定し、チームの中から担当者を割り当てるといったことができるほか、編集に関する個々の権限を決め必要資料を共有、チーム作業を進めていくことができる。チームが進行中のコンテンツを整理・共有できる専用スペースの「プロジェクト」プレビュー版も提供され、ここからまとめて情報共有を図ることも可能だ。
Dropbox Businessを契約する法人ユーザーの場合、リリースしたばかりの管理機能「AdminX」に加え、セキュリティ パートナー向けPaper APIによる電子情報開示(eDiscovery)や情報漏洩防止(DLP)用の追加コントロールも近日中に使えるようになるという。
また、モバイル向けの「Dropbox Paper」Android版・iOS版アプリをアップロードし、オフラインアクセス機能を提供、外出先での共同作業もサポートしていくとした。
これら新機能を含み、よりニーズに合ったかたちで、あらゆる企業がDropbox Businessを活用できるよう、新プランも追加された。必要な容量や機能によって選択可能な「Standard」、「Advanced」、「Enterprise」の3種類がある。
「Standard」は1ユーザーあたり月額1,500円または年額15,000円。2TBのストレージと今回の新機能、共有・共同作業ツールが利用できる。「Advanced」プランは1ユーザーあたり月額2,400円または年額24,000円で、必要な容量とより高度な管理・監査、インテグレーション機能などが利用可能となる。
Dropboxでは、この「Advanced」プランを勧めており、リニューアル開始まで、現在の契約ユーザーには全機能を追加料金なしで提供、そのメリットを体感してほしいとしている。「Enterprise」はカスタムソリューションと個別サポートを必要とする大企業向けプランで、価格は個別見積もり。
(画像はプレスリリースより)

Dropbox 公式ブログ 発表記事(プレスリリース)
https://navi.dropbox.jp/business/supernova/