空の玄関口で「多言語音声アナウンスシステム」を運用
ヤマハ株式会社は19日、全日本空輸株式会社(ANA)と共同で、音のユニバーサルデザイン化支援システム「おもてなしガイド」を活かした新サービス「多言語音声アナウンスシステム」の実証実験を開始すると発表した。成田国際空港および関西国際空港のANA国際線搭乗ゲートで実施する。
ヤマハが開発した「おもてなしガイド」は、日本語音声による情報案内を理解することが困難な外国人や聴力障がい者などでも、確実にアナウンス内容をリアルタイムで理解できるようにするためのシステム。公共空間などで流れてくるアナウンスを、専用アプリを起動したスマートフォンのマイクで拾いさえすれば、その音声情報内容が、ユーザーに合ったさまざまな言語へと翻訳された状態で、文字テキストによって画面表示されるものとなる。
音によって通信を行うため、オフライン状態の端末でも情報を取得でき、また音声情報を発信する側も個別にその都度多言語化対応を行う必要がないことから、無理なくスマートに、誰もが必要な情報を得られる環境が整う。すでに複数の自治体や空港、交通機関、商業施設、観光施設などで実証実験が進められており、ヤマハでは、得られた検証結果を踏まえて、サービスの本格的な実用化を目指している。
スタッフ不在でも常に4言語をカバー!
今回の実証実験では、まずANAの係員が事前にアナウンスを日本語・英語・韓国語・中国語の音声でシステムに録音する。これを搭乗ゲートで流すものとし、多言語対応可能な係員が不在でも、常に4言語のアナウンスを行える体制を整える。
さらにこの音声アナウンスを再生と同時に多言語化、利用者のスマートフォン端末などに文字情報として表示させる。これによって、訪日外国人や聴覚障がいのある人でも必要な情報をもれなく確認しやすくなる。利用には、前もって専用アプリ「おもてなしガイド」をダウンロードしておくことが必要となるが、入手しておけば日本語・英語・韓国語・中国語(繁体字・簡体字)の5言語によるテキスト化がサポートされる。
ANAでは、この「音声アナウンスシステム」を搭乗案内はもちろん、遅延・欠航などのさまざまなシーンで活用して放送を実施、搭乗ゲートで必要とされる多言語アナウンスと音のユニバーサル化に向けた対応力向上を図るとしている。
実験実施場所は、成田国際空港のヒューストン行きANA174便搭乗ゲートと、関西国際空港の上海行きANA975便搭乗ゲート。成田では4月26日より開始し、関西は5月19日から開始、2カ月間の試験運用を行う予定となっている。
(画像はプレスリリースより)

ヤマハ株式会社 ニュースリリース(プレスリリース)
https://www.yamaha.com/ja/news_release/2017/17051901/