キヤノンMJらが開発、人手不足に対応したソリューションとして提供へ
キヤノンマーケティングジャパン株式会社(キヤノンMJ)は8日、株式会社Z-Worksと資本業務提携を締結し、IoTを活用した介護支援ビジネスの展開を本格的に開始すると発表した。2社は、介護の必要な人の状態をリアルタイムで検知する「居室見守り介護支援システム」を共同で開発している。
近年は高齢化の進展、医療の発達と長寿命化により、介護施設の利用者が増加する中、介護する側の負担は増大、2025年には全国で約38万人の介護職員不足が予測されている。こうした深刻な人手不足と、介護現場における安心・安全確保の重要さから、今後はIoTやAI、ロボットなど最新技術の利活用を通じた問題の改善・解決が期待される。
こうした社会状況を背景に、キヤノンMJでは「ベンチャー協業イノベーションプログラム」の一環として、クラウド型のIoTプラットフォーム開発と運用を進めるソフトウェア企業Z-Worksと提携、「居室見守り介護支援システム」を開発した。同システムは、すでにSOMPOホールディングス株式会社傘下のSOMPOケアネクスト株式会社による介護施設へと先行導入されており、SOMPOケアネクストの全国にある115介護施設へ順次導入していくことも予定されているそうだ。
非接触型の各種センサーで安全見守り!
新規に開発された「居室見守り介護支援システム」は、非接触型の心拍センサー、ドアセンサー、モーションセンサーといった各種センサーにより、介護施設居室内のベッド上にいる入居者について、その心拍数や呼吸数、動きなどを検出、データとして収集し、ゲートウェイを通じてクラウドに送信する。
クラウド上の見守りサーバでは、行動翻訳エンジンにより、収集されたセンサー情報を解析、現在状態や動きの変化、検出された異常などの情報を、PCやタブレット端末、スマートフォンといったデバイスへと流す。
職員は、入居者の状況を、デバイスからリアルタイムで常時チェックでき、問題が発生した際には、そのことを知らせるアラート通知によって、迅速かつ的確な判断と対応行動をとるようにしていくことができるものとなる。
システムを導入することで、より高いレベルでの安全・安心を確保する見守り体制が整いやすくなるほか、介護職員の巡視業務負荷を大幅に軽減することが可能になり、その分をそのとき介助を必要としている人へのケアにあてることで、無理なくサービスを向上させられるとする。
また、システムは基本的にセンサーの設置工事が不要な仕様となっていることに加え、クラウド型のサービス提供となるため、施設における既存設備の入れ替えや追加投資がほぼ不要、広く安価に導入できるというメリットもある。
キヤノンMJでは今後、この「居室見守り介護支援システム」の拡販を図るほか、キヤノンが得意とする映像・画像を活かした画像解析技術とも組み合わせたソリューションの構築を進め、介護支援ビジネスの展開を加速、2020年で年間売上高20億円の達成を目指すとした。
(画像はプレスリリースより)

キヤノンマーケティングジャパン株式会社 ニュースリリース(プレスリリース)
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