24時間365日対応「密漁監視システム」を開発
NECフィールディング株式会社は26日、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」に含まれる「RAPID機械学習技術」を活用した24時間365日対応の「密漁監視システム」を開発、青森県漁業協同組合連合会に納入したことを明らかにした。また26日より、同システムの販売も開始している。
青森県漁業協同組合連合会は、日本海、津軽海峡、太平洋と三方の海および内包する陸奥湾に囲まれた青森県の豊かな漁場を圏域とする同県内の各漁業協同組合によって組織された会。近年増加している陸奥湾の密漁によるなまこ漁業被害を防止するとともに、貴重な海洋資源の枯渇防止・安定供給を目的として「密漁監視システム」を導入した。
システムの具体的内容としては、陸奥湾内にサーマルと高解像度を組み合わせた高機能監視カメラを設置、撮影されたカメラ画像を監視センターで一元管理するほか、AIによる画像解析で不審船や不審者を自動的に発見し、県漁連や漁協など関係者に即時アラート通知するものになっている。
システムにおける機器の安定稼働を支えるため、24時間365日対応の運用・監視・保守サービスもNECフィールディングが体制を整備して提供、これによって陸奥湾内の不審船監視にかかる作業負担を軽減し、密漁を抑止するという。
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「NEC the WISE」の「RAPID機械学習技術」は、ディープラーニング技術を搭載し、事前に手本となるデータを読み込むことで一定の傾向を自動で学習、データの分類や検知、推薦といった必要とされる高精度な判断を迅速に提供できるもの。
NEC北米研究所の独自技術により、分析エンジンの高速化と軽量化の両立を実現していることから、大規模なマシンリソースを必要とすることなく、サーバ1台で十分な分析処理が行えるという特色もある。こうした汎用性の高さも、今回の陸奥湾における「密漁監視システム」を支えるポイントのひとつといえる。
26日より販売が開始された「密漁監視システム」も、青森県漁業協同組合連合会に納入されたものと同様の仕様で、監視用サーマルカメラ1台、監視サーバ1台、録画ストレージ1台、AIサーバ1台、ネットワーク機器、設計構築作業をワンパッケージ化、最小構成価格1,500万円より提供するものとなる。
任意の場所に監視カメラを設置して画像を解析し、不審船や不審者を自動的に発見して、異常が検出されると警報を出す。NECフィールディングが24時間365日監視にあたるほか、システムの構築・運用・保守までトータルにサポートし、機器にトラブルが生じた場合には、最寄りの拠点からカスタマエンジニアを現地に派遣、すぐに復旧対応させる。
なお導入にあたっては、機器の設置工事費および運用開始後の保守・監視サービス費用がほかに必要となり、これらは別見積もりとなることが案内されている。
(画像は「密漁監視システム」案内ページより)

NECフィールディング株式会社 プレスリリース
http://www.fielding.co.jp/news/htm/20170626.html「密漁監視システム」 案内ページ
https://solution.fielding.co.jp/