NICT・総務省とともに実証実験を開始
株式会社インベスターズクラウドの子会社である株式会社iVacationは22日、旅行者向けのIoTデバイス「TATERU Phone」に多言語をサポートする音声翻訳機能を追加すると発表した。同機能について、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)および総務省と協力し、実証実験を開始する。
「TATERU Phone」は、訪日外国人観光客をターゲットとしたスマートフォン端末。訪日時の“困った”を解決するトリップ・コンシェルジュとして機能し、滞在を快適なものにするサポートを行う。多言語・24時間対応のクラウドチャットサービスや、スマートキーによるチェックイン・チェックアウト機能などが利用でき、旅行代理店やホテル、観光案内所、商業施設での導入のほか、民泊領域での活用が期待されている。
今回、「TATERU Phone」への追加搭載が決定した多言語音声翻訳機能は、NICTが開発を行うアプリ「VoiceTra」によるもので、日本語や英語をはじめとする31カ国語に対応、ユーザーが母語を選択して話しかけると、任意の外国語に翻訳し結果を表示するほか、翻訳結果を発声させられる。
翻訳した結果が正しいかどうかを母語とのテキスト対応で確認したり、文字入力によって修正を施したりすることも可能で、旅行会話向けとしては、相当程度高い翻訳精度をもっているとされる。英語ならばTOEIC 600程度の水準による翻訳が可能だ。
言葉の壁を打破!訪日滞在経験をより豊かに
実証実験は、福岡市支援のもと福岡市の「みのしま商店街」と協力して実施する。同商店街の宿泊施設や飲食店、小売店など合計16店舗が参加し、2017年6月8日~9月30日の期間で展開するという。
商店街の来店促進を目的に、「FUKUOKA OMOTENASHI Phone by TATERU Phone」と名付けられたデバイスを活用して進める実験に、多言語音声翻訳機能を初導入するかたちとなっており、今回は日本語、英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語をサポートして検証を行う。
各種サービスのシステム連携など技術的な検証を行うほか、搭載機能の運用検証、訪日外国人観光客にとっての利便性検証を実施し、今後のサービスやデバイス開発に生かしていく方針だ。iVacationでは検証結果もチェックしつつ、幅広くレンタル提供する「TATERU Phone」においても、多言語音声翻訳機能の導入を推進していくとしている。
音声翻訳機能を使いたいときは、「TATERU Phone」で音声翻訳アプリを起動し、まず自分の話す言語を選択する。その後、画面に表示されたマイクボタンを押して、相手に伝えたい内容を話しかけると、その内容が相手の言語で翻訳され、テキストによる結果表示と音声再生が可能になる。
翻訳結果が思うようなものとなっていない場合には、その場で文字入力したり、再び音声入力を行って翻訳し直させたりすることができる。過去の利用履歴から選択して翻訳、再生する便利機能も用意されており、誰もがスムーズに言葉の壁を越えたコミュニケーションを図れるようになる。
(画像はプレスリリースより)

株式会社インベスターズクラウド プレスリリース
https://www.tateru.co/press/post/10453/