RFID技術を活かしたスマートホームへ
ディズニーの研究機関であるDisney Researchは現地時間の2日、RFID技術を活用したLED電球などによる、ユビキタスコンピューティング空間を実現するシステムを開発したと発表した。面倒なインフラやネットワークの敷設・構築なしに導入でき、未来のスマートホームを支えるものとして寄与すると考えられる。
Radio Frequency Identification(RFID)は、人やモノの個別ID情報を埋め込んだRFタグから、電波などを用いた近距離無線通信を行って必要な情報をやりとりする自動認識システムのこと。電波が届く範囲内であれば、複数のタグを非接触状態で一気にスキャンできるといった特徴をもつ。主に交通系ICカードやスマートフォンの非接触通信で身近な存在となっているほか、店舗や物流現場で活用されている。
一度システムを導入すれば、既存のさまざまなモノを簡単にネットワーク化でき、安価で非接触の無線型、バッテリー不要で利用できる接続可用性の高さ、優れた双方向性などから、一般家庭などでも活用用途は広いと考えられるが、これまでのRFID対応システムは、巨大なリーダー、アンテナ、それらを支える大規模で複雑なネットワークインフラストラクチャを敷設しなければならず、これがさらなる技術普及と活用範囲拡大を妨げる要因になっていた。
LED電球に埋め込み!電球取り替えレベルの容易さで導入・活用可能に
そこでDisney Researchでは、こうした課題を解消し、RFID技術の可能性を高めようとハイブリッドRFIDリーダーやリーダー用の電源、アンテナなどネットワーク通信機能を内蔵した標準電球スタイルのスマートLED電球を開発、既存の電球用ソケットにねじ込みさえすれば、手軽に構築できるRFIDシステムを考案した。
このスマートLED電球を用いれば、新たに電源やネットワーク、必要な巨大インフラストラクチャを確保、構築する必要もなく、電球の下に広がる空間で、RFID通信が可能となり、この非接触通信技術を活かしたスマートホームを実現できる。
スマートLED電球は、Wi-Fi通信機能も搭載しており、管理システムとの無線による情報のやりとりが可能、双方向通信をさせるタグは薄いシート状にデザインされており、利用したい場所や家具、家電製品といったさまざまなモノ、人に貼りつけて使うことができるという。
インフラ監視やローカリゼーション、各種ガイド付きのナビゲーション、照明の自動調節などにおける活用を想定し、さらなる研究・開発を進めて、人間を中心とするスマートでユビキタスなホームスケールのコンピューティングネットワークを実現していきたいとしており、今後の展開に期待が集まる。
(画像はプレスリリースより)

Disney Research プレスリリース
https://www.disneyresearch.com/publication/rfid-light-bulb/