どのシーンでどんな気持ちに?満足度向上へ向けAIで分析
エイベックス株式会社は24日、株式会社TBSラジオ、株式会社ディー・エル-イーとともに、AIを用いたライブ来場者の感情分析を映画上映時にも導入し、データを取得する実証実験を行ったことを明らかにした。10月21日の映画『DCスーパーヒーローズ vs 鷹の爪団』初回上映時に実施したという。
使用されたシステムは、今年9月1日にエイベックスが発表していた、Microsoftの人工知能関連サービス「Microsoft Cognitive Services」をベースに開発されたもの。会場内に設置したカメラで来場者の顔をリアルタイムに検知し、そこで起きている出来事と、怒りや軽蔑、嫌悪感、恐怖、喜び、中立、悲しみ、驚き、笑いといった感情との関連性を分析・数値化することができる。
当初は、アーティストライブのセットリストや演出、パフォーマンスなど、エンターテインメント・イベントとしての客観的評価を定量的に実施し、さらなる質の向上や来場者の満足度向上を目指して生み出されたものだったが、多様なイベントの効果測定ソリューションとして活用していくことも視野に入れていた。
反応把握が難しい映画のマーケティングデータとして活用
今回の実証実験は、そうした新たなシーンでのシステム活用にあたるもので、TBSラジオでオンエアされている番組『THE FROGMAN SHOW A.I.共存ラジオ 好奇心家族』での会話をきっかけに実施されることが決まった。
実際の映画上映劇場内にカメラを設置して来場者の顔をAIで検知し、映画のどのシーンでどんな感情が抱かれているか、分析を試みたという。映画はライブイベント以上に来場者の反応を的確に把握することが難しく、これまで客観的評価は興行成績でしか測れなかった。
このシステムを活用すれば、よりリアルなユーザーの反応やニーズに密着した評価を客観的な数値データとして得ることが可能になり、今後の制作を考える上でも有益な資料として用いることができるようになるとされる。
新たな映画のマーケティングデータとして、今後活用されるものとなるかもしれない。なお、実験の詳細結果は『A.I.共存ラジオ 好奇心家族』の11月24日放送内で発表された。
(画像はプレスリリースより)

エイベックス株式会社 プレスリリース
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