NTTデータ、シャープ、NTTデータSBCが共同開発
株式会社NTTデータ、シャープ株式会社、株式会社NTTデータSBCは8日、AI(人工知能)のディープラーニング技術を活用し、シャープ製のモバイル型ロボット電話「ロボホン」向けとして、国内初の手話通訳アプリを共同開発したと発表した。初心者の手話学習や聴覚障がい者の簡単な意思伝達をサポートする。
聴覚に障がいがある人は、コミュニケーション手段や方法、介護費用などの面で問題を抱えているケースが少なくない。とくに生活面では、手話通訳者が身近におらず、意思を円滑に伝達できないことで不便を感じるシーンが多くあるとされる。健聴者が手話を学ぶ環境も少なく、手話そのものが身近でないことも社会的な問題のひとつだ。
今回の手話通訳アプリは、こうした現状を背景に、イノベーティブな組織文化を醸成すべくNTTデータが社内で開催しているロボホン向けアプリ開発コンテストで、同アプリの提案が最優秀賞に選ばれたことを契機として、3社による共同開発が行われたものになる。
手話表現の対応拡大と多言語化も視野に早期の実用化を目指す方針
この手話通訳アプリでは、まず聴覚障がい者がロボホンに手話で話しかけると、AI技術によりその動きを認識・分析して、意味を日本語による音声にして発話する。また、発話内容をスマートフォンなどの外部デバイス画面にテキスト表示させる。
健聴者は、音声で手話によって表現された内容を聞き取り、理解することができ、聴覚障がいのある本人は、デバイス画面にテキスト化されたものを見て翻訳内容が正しいか確認できる。
逆に健聴者が話しかける際は、ロボホンに音声で語りかけると、その発話内容を認識してテキスト化、スマートフォンなどの外部デバイス画面に表示して可視化し、聴覚障がい者へと示す。
現段階では、日本語対応手話のみの認識となるほか、手話初学者の手話練習、単語レベルでの意思伝達交換がサポートされる水準だが、今後は国際手話など認識可能なものを増やし、日本語以外の言語にも対応とするなど機能を強化していくほか、翻訳水準も引き上げて、一連の手話表現を認識し、簡単な会話での意思伝達交換や行政・企業の窓口応対などで利活用できるようにしていくという。
NTTデータ、シャープ、NTTデータSBCの3社では、さまざまな生活の場面で手話通訳が円滑に行われ、ユニバーサル環境が実現されるよう、アプリの早期実用化を目指すとした。
(画像はプレスリリースより)

株式会社NTTデータ/シャープ株式会社/株式会社NTTデータSBC ニュースリリース(プレスリリース)
http://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2017/110800.html