IoTのビジネス化に必要なサービス・機能をワンストップで提供
GMOクラウド株式会社は13日、IoTデバイスの管理からクラウドにおける収集データの蓄積・可視化、セキュリティまで、IoTビジネスで必要とされるサービスや機能をワンストップで提供する「IoTプラットフォーム(仮称)」のβ版をリリースした。2018年春には、正式版の提供開始を目指す。
近年、IoTデバイスやサービスの開発が進み、これを活用したビジネス展開へのニーズが多方面で高まっている。GMOクラウドでは、今年5月に専門コンサルタントがサポートを行う「IoTの窓口 byGMO」を開設し、さまざまな企業のIoTビジネス化を助けてきたが、ここで培われたノウハウも活かし、「IoTプラットフォーム」を開発、サービスとして提供していくことを決めた。
IoTでは、現場などに設置する各種IoTデバイス(センサー)とインターネット接続環境、ネットワークを通じてデータの収集・蓄積を行うクラウド、対象データの分析や可視化、IoTデバイスへと情報をフィードバックして作動させる装置(アクチュエーター)などが必要だ。そして、これらすべてがセキュアに適切な環境のもと、管理されなければならない。
しかし大量に存在するIoTデバイスは、本体にセキュリティソフトを導入することが難しいといった点などから、サイバー攻撃に狙われやすく、安全性を確保することが課題になっている。利活用をやめた端末についても、完全に破棄されるまで管理が徹底されなければならず、いかにマネジメントするかが大きな問題だ。
GMOクラウドでは、この“IoTデバイスのライフサイクル”におけるマネジメントを適正に実行しやすくすることを目指し、IoTビジネスで必要なサービスや機能を集約、企業がニーズに応じて選択し、簡単に利用できるようにした。
数百万台のデバイスでも包括的かつセキュアに管理可能!
「IoTプラットフォーム(仮称)」では、GMOクラウドの技術やノウハウをベースに、世界最大級の半導体設計メーカーであるARM社のデバイスマネジメントクラウド「Arm Mbed Cloud」を活用。数百万台に及ぶ大量のデバイスであっても、セキュアに管理できるものとしている。これにより、IoTデバイスの組み込みOSレベルからクラウドへの接続、IoT製品化した後のファームウェア更新まで、あらゆる管理が包括的に可能となる。
とくに煩雑な更新作業がネットワーク経由で一括して実行でき、常に最新状態を保てるようになるメリットは大きい。また、IoTデバイスを破棄する際には、認証設定などの一括削除も行える。これによって管理者不在のデバイスをなくし、ライフサイクルを適切にマネジメント、セキュリティリスクを低減させる。
また、より強固なセキュリティ性を確保するため、ICチップに搭載された「Arm Mbed OS」内のセキュリティ領域「Trust Zone」に、GMOグローバルサインが発行する電子証明書をインストールできる仕様とする。従来のシンプルなID・パスワード認証だけでなく、ICチップレベルからの認証・暗号化・電子署名が可能となり、よりセキュアな管理が実現されるという。
IoTデバイス向けとして、最速毎秒3,000枚の電子証明書発行が行えるGMOグローバルサインの「マネージドPKI for IoT」も活用でき、多種多様なデバイスへの柔軟かつ迅速な電子証明書インストールも可能になる。
さらに、社会のニーズを捉え、スピーディにIoTビジネス化を図るには、環境構築だけでなく、その後の実証実験実施、実用化までの各プロセスやフェーズがシームレスに、スムーズに行われることが重要と考えられる。
そこで「IoTの窓口 byGMO」を通じアライアンスパートナーとの協力で培われた規格・開発から実証実験、実際のビジネス化に至るまでのノウハウを凝縮して反映、必要なサービス・機能がすぐに提供されるサービスとして開発設計を行ったといい、さまざまな業種業態での新ビジネス創出や既存ビジネスの付加価値向上を叶えるとしている。
データ蓄積やデータの可視化に最適なGMOクラウドのパブリッククラウド「ALTUS」をはじめ、さまざまなクラウドインフラやプラットフォームとの連携も可能で、今後はAI連携による予知検知機能への展開など、さらなる充実化を図っていく予定ともした。
期間限定で無料構築支援を実施
β版のリリースにあわせ、2018年3月30日18:00までの期間限定で、申し込みを行った企業を対象に「IoTプラットフォーム」β版を用いたIoT環境の構築から実証実験まで、システムの開発やコンサルティングを無償で実施する支援サービスを提供することも発表された。
支援実施期間は利用開始日から最大6カ月で、β版の使用感などに関するアンケートに協力することなどを条件とし、IoTビジネスのアイデアをカタチにする、デバイスの開発や通信設定、データ集計・分析関連やセンサーモジュールの開発などの支援を無料で行うという。
申し込みは特設サイトの専用フォームから可能で、サービスの開始は2018年1月予定となっている。詳細は同サイトなどで確認を。
(画像はプレスリリースより)

GMOクラウド株式会社 プレスリリース
https://www.gmo.jp/news/article/?id=5873「IoTプラットフォーム」 特設サイト
https://iot.gmocloud.com/