「ロリポップ!」の「マネージドクラウド」プランオープンβ提供がスタート
GMOペパボ株式会社は11月30日、同社の運用するレンタルサーバーサービス「ロリポップ!」において、誰でもクラウドホスティング環境を簡単に構築・活用することができる「マネージドクラウド」プランのオープンβ版提供を開始したことを発表した。クローズドα版に改良を加えた一般公開で、無償提供されている。
「ロリポップ!」の「マネージドクラウド」プランは、GMOペパボの研究開発組織「ペパボ研究所」が独自開発したコンテナ型仮想化技術により実現されているもの。マネージド型の共用サーバーとして運用されるレンタルサーバーの手軽さと、VPSやクラウドのような柔軟性、拡張性、自由度の高さといった両方の長所を併せもつ。
独自開発の仮想化技術は、1つのOS上に“コンテナ”と呼ばれる、他ユーザーから隔離された独立のアプリケーション実行環境を複数構築することで、より少ないコンピューターリソースによる仮想的な動作環境を実現させるもので、これにより、ユーザーはコンテナ数の増減でリソースを柔軟に管理、可用性の高い高品質なサーバーサービスとして、WordPressやRuby on Railsといったアプリ実行環境を瞬時に立ち上げることができるようになっている。
従来のレンタルサーバーで、リソースの拡充を行いたい場合、上位プランへの移行が必要となり、手間やコストがかかるほか、サーバーのカスタマイズを自由に行うといったことはできない仕様となっているのが通常だ。「ロリポップ!」の「マネージドクラウド」プランは、こうした不便さを解消する。
機能追加や改修でより安定的で使えるサービスに進化
公開された「マネージドクラウド」プランのオープンβ版は、特設サイトから申し込めば、誰でも無料で使うことができる。提供期間は2018年1月末を予定している正式版のリリースまでとなる。この期間、ユーザーは実際にコントロールパネルからアプリや開発環境をインストールし、ウェブアプリの公開を行うといったことができる。
また、クローズドα版提供で寄せられたフィードバックをもとに、機能の追加・改修も施されている。ダッシュボードでは、一見して必要情報を把握できるようUIを改善、コンテナの稼働状況もトップから確認できるようになった。また、プロジェクトに対するトラフィックとコンテナ数の推移をグラフで見ることも可能となっている。
クローズドα版では、WordPressとPHP(LAMP環境)の構築に限られていたが、新たにRuby on Rails、Node.js環境もサポートした。プロジェクトにオリジナルのドメインを設定することもできるようになっている。プロジェクト作成ページのUI変更に伴う操作性アップとあわせ、使い勝手が向上しているといえるだろう。
さらにα版で不安定だった一部のバックエンドシステム改修も行ったといい、より安定した環境でのサービス提供を実現している。
GMOペパボではさらに、数項目の情報を入力するだけで、WordPressのインストールが完了する簡単インストール機能の追加などを予定しているほか、正式版では無料のサーバー証明書導入や、利用可能アプリケーションのさらなる拡充などを計画している。
ペパボ研究所と国立大学法人九州大学情報基盤研究開発センターの共同研究開発チームによる成果も反映させる方針で、高負荷状況でもスムーズなコンテナの起動や終了を高速に実行できる環境を実現、これまで手動で行われ、システムの再起動が必要だったセキュリティ更新や基盤ソフトウェアの入れ替え、リソース拡大やインフラの増強・移行などを自動で行えるようにしていくともした。
(画像はプレスリリースより)

GMOペパボ株式会社 プレスリリース
https://pepabo.com/news/press/201711291300「ロリポップ!」「マネージドクラウド」プラン特設サイト
https://mc.lolipop.jp/