ブロックチェーン技術と決済データを組み合わせた新プラットフォーム
アクトコールグループで決済ソリューション事業を手がける株式会社インサイト、ブロックチェーン関連のテクノロジー企業であるシビラ株式会社、ICTサービスを提供するソフトバンク・テクノロジー株式会社(SBT)の3社は5日、ブロックチェーン技術と決済データを用いた、新たな個人の信用情報プラットフォームを共同で開発すると発表した。
近年では、多種多様で膨大な個人情報がインターネット上に蓄積されている。利便性の高い社会を支えるため、こうした情報をネットワーク上で取り扱うことは不可避であり、今後ますます頻度・シーンとも増加すると考えられるが、システム障害やハッキング、内部犯行による情報流出・改竄といったリスクが常に伴い、その対応は大きな社会問題となっている。
またシェアリングエコノミーの市場が拡大し、互いに見知らぬ個人間での直接取引も急増、安心・安全を確保するには、個人の信用情報が鍵になっていくと考えられる。そこで3社は、こうした社会変化に応じ、金融機関などで管理されてきた信用情報だけでなく、それ以外の「信用情報になり得る全く新しい種類の情報」に高いニーズが発生すると判断、今回の共同開発プロジェクトを立ち上げた。
シビラの「Broof」、Microsoft Azureを活かして構築
発表された今回のプロジェクトでは、インサイトが培ってきた家賃決済代行のノウハウ、電気料金など日々の生活における決済データと不動産ビックデータ、それにブロックチェーン技術を組み合わせ、多角的な情報を集約し、高度なセキュリティとトレーサビリティを担保して管理を行う次世代型の信用情報プラットフォームの構築を目指すという。
ユーザーはこの日々の生活で蓄積されていく情報をもととした、いつでも簡単に利用できる新しい与信の仕組みにより、個人に最適な利便性の高いサービスをスムーズに受けられるようになると考えられる。
第1フェーズとして、2018年1月末終了予定の開発により、ブロックチェーンへのデータ保存と、サーバレスアーキテクチャによるデータアクセスを活用したシステム構築を実施する方針で、これにより、ブロックチェーン技術のメリットである対改竄性の強さやゼロダウンタイム、暗号技術による認証、電子署名でのデータ証明、データトレーサビリティといった特徴を有し、さらにクラウドの冗長性をももった、可用性の高い信用情報管理のシステムが実現できるとされる。
開発にあたり、ブロックチェーン技術では、シビラが独自に開発した「Broof」を活用。「Broof」は、エンタープライズ領域にも適用できる高い堅牢性とパフォーマンス、トレーサビリティを特徴としており、柔軟で確実なスマートコントラクトも実行できるものとなっている。
またプラットフォーム面では、SBTの構築するMicrosoft Azureをベースにするといい、グローバルな冗長性を確保、SBTが有する技術力や運用ノウハウを用いて、クラウドでのブロックチェーン技術実装と、安定したサービスの運用を叶えるとしている。
インサイトが保有する決済ログデータのほか、全国の不動産会社のデータや顧客情報、政府保有のオープンデータ、マイナンバー情報といった各種情報の管理、統合はもちろん、Webサービスやアプリの利用歴といったソーシャルビックデータの統合・分析も進める予定で、これを新たな信用経済圏の構築につなげていきたいともした。
さらに将来的には、Azure Machine LearningやCognitive Servicesとの連携も視野に入れており、より多様なデータの集約と充実した信用情報プラットフォームを創出していくとしている。
(画像はプレスリリースより)

株式会社インサイト/ソフトバンク・テクノロジー株式会社/シビラ株式会社 プレスリリース
http://www.softbanktech.co.jp/corp/news/press/2018/001/