拡大路線を進むインターネットビジネス
どのようなビジネス分野であれ、野心を抱く企業は新たなチャンスを見つけて利用しようとしているが、China International Businessによると、中でも中国のオンライン関連のトップ企業の拡大志向は特に目を見張るものがあるようだ。
サーチエンジンがオンライン出版を行ったり、ビデオゲーム開発企業がEメールサービスを始めたり、動画サイトが電子取引のプラットフォームを立ち上げたりと、様々である。さすがにこれは、ちょっと節操がなさすぎないか?と思うほどである。
「当初、中国のウェブ企業は無計画に次々と新分野に参入していたが、その後、彼らの認識はかなり変わってきたようだ」と分析するのは"+8"というテクノロジーコンサルティング会社の設立者であるBenjamn Joffe氏である。
拡大こそが勝ち残る道?
拡大を続けるこれらの企業の背景には、マイクロソフトがサーチエンジンを作ったり、グーグルが地図から文章ソフトまで何もかもを提供していることと同じロジックがあるようだ。
アジアのITネットワーキング委員会の一つであるCHINICTの設立者であるFrank Nazickian氏は以下のように話す。
「グーグルは巨大だし、マイクロソフトも同様だ。それなら中国の企業だって同じ所を目指してもおかしくない。誰だってビッグプレイヤーになりたいのだ。」
Tencent社の事例
中国のインターネット企業で最も成功した例の一つはTencent社である。10年前に中国のインスタントメッセンジャーの先駆けとなって以降、Tencent社はアグレッシブに拡大を続け、競合相手を圧倒してきた。
同社のインスタントメッセンジャーサービスであるQQは当初、驚くべき成長を記録し、2001年までに1億人のユーザーを獲得した。しかし、その時点では利益を出すには至らなかった。そこで、同社はChina Mobileのモバイルインターネットプログラムと契約を結び、China Mobileのネットワークを利用して付加価値のあるサービスを販売した。
常に一歩先へ
QQは着メロからSMSリマインダーや天気情報など様々な情報を手掛けることで、2001年7月には利益を計上し始めた。いったん利益体質ができあがると、Tencent社は次々と新しいサービスを提供し続けた。
オンラインゲームもまた、Tencent社の重要なジャンルである。確立されたフリーミアムモデルを利用することで、無料で新たなユーザーを引き付け、様々な有料サービスの提供につなげるのである。ユーザーのデスクトップでペットを飼うことのできるQQペットというゲームは同社に多くの利益を生み出している。
Tencent社のニュースやゲーム、e-コマースといったあらゆるジャンルへの展開は実用主義と顧客基盤の情報蓄積から生まれたものである。同社はまだ中国でローカライズされていないもの、またはローカライズが上手くいっていないものに目を付けて、新たなビジネスを創出している。

Tencent
http://www.tencent.com/en-us/China's Internet Empires
http://www.cibmagazine.com.cn/Features/Infotech.asp?id=1274china_s_internet_empires.html